水口152キロ!京大最速でた 潜在能力をスカウト評価、本人もプロの舞台見据える
「関西学生野球、京大0-0同大」(3日、ほっともっとフィールド神戸)
1回戦2試合が行われ、京大は2番手で登板した右腕・水口創太投手(3年・膳所)が京大史上最速の152キロをマークし、2回2安打無失点に抑えた。
0-0で迎えた七回。味方の失策や自身の暴投で無死二、三塁の危機を招いた。「ピンチではギアを上げるようにした」。相手打者を追い込んで投じた4球目。ロジンの白い粉が右手から舞って放たれた直球は152キロを計測。相手打者のバットが空を切ると同時に、球場がどよめいた。
今季開幕戦となった9月2日・近大戦では、同校OBで元ロッテの田中英祐氏に並ぶ“京大史上最速タイ”の149キロをマーク。2番手で2回無失点に抑え、大学初白星を挙げた。彗星(すいせい)のごとく現れた京大の剛腕にプロスカウトも注目する。
この日は複数球団がネット裏で視察。DeNA・安部スカウトは「スピード、角度がある。ゾーンで勝負できるコントロールを磨けば(プロ入りの)可能性もある投手」と潜在能力を高く評価した。
1年の浪人を経て、理学療法などを学ぶ医学部人間健康科学科に入学した水口。浪人時代は勉強に精力を注ぎ、全く野球はしなかった。入学時の球速は「140手前くらいですね」と苦笑い。それでも、入部後にウエートトレーニングでの筋肉量増加と柔軟に取り組み、身体能力を向上。京大初の大台まで球速を伸ばした。
「行ける実力を付けていきたい」と見据える先はプロの舞台。剛腕を振りかざし、京大史上2人目のプロ野球選手を目指す。
◆水口 創太(みなくち・そうた)1999年8月9日生まれ、22歳。大津市出身。194センチ、88キロ。右投げ右打ち、投手。晴嵐小2年から晴嵐スポーツ少年団で野球を始め、北大路中時代は軟式野球部に所属。膳所では1年秋からベンチ入りし、3年夏は3回戦で敗退。京大では3年春にリーグ戦初出場。持ち球はカットボール、カーブ、フォーク。
◆京大出身のプロ野球選手 過去に田中英祐投手が2014年度ドラフトでロッテから2位指名を受けたのみ。リーグ戦通算65試合に登板し、8勝31敗、防御率2・25を残し、プロ初登板初先発となった15年4月29日・西武戦では、3回5失点で敗戦投手となった。プロでは通算2試合の登板に終わり、0勝1敗、防御率13・50だった。