「秋季高校野球大阪大会・決勝、大阪桐蔭７－０金光大阪」（９日、大阪シティ信用金庫スタジアム）

　決勝が行われ、大阪桐蔭が金光大阪を７－０で下して、３年連続１０度目の優勝を飾った。西谷浩一監督は「甲子園が終わってあまり時間がなかった中で、しっかりここまでつないでくれた。優勝して近畿大会も決めたので、もうここからだと。今は次のことを考えています」と早くも近畿大会を見据えた。

　中盤まではしびれる投手戦が繰り広げられた。大阪桐蔭の先発を任された川原嗣貴（しき）投手（２年）は、四回まで毎回を三者凡退に抑える完璧な投球を披露。五回に味方の失策でこの日初めての走者を背負い、犠打などで２死三塁とされたが、続く打者をしっかりと二ゴロに仕留めた。六回も２死一、三塁のピンチを無失点で切り抜け、６回を２安打無失点に抑えた。

　川原は、今夏の甲子園２回戦・近江戦で２番手で登板するも、決勝打を浴びて敗戦。「甲子園は何を投げてもうまくいかなくて、何が正解なのかも分からなくなった。でもその厳しい経験を自分の中で何とか割り切って、秋はチームの勝利に貢献しようと思った」と悔しさを力に変えた。

　２番手を任された１年生左腕・前田悠伍投手は、味方の２失策に見舞われながらも、３回をわずか１安打に抑え、見事な完封リレーで金光大阪打線を圧倒。打線も四回から徐々に勢いに乗り、計１１安打７得点を奪って突き放した。

　西谷監督は「履正社戦で１年の前田がいいピッチングをして２年生は気合入ってると思ったので、頭は２年に任そうと思っていた。川原は初回固かったですが、何とかうまくゲームを作ってくれたと思う。前田もよく投げてくれた」と力投した２投手を評価した。

　大阪桐蔭と金光大阪はすでに近畿大会への出場を決めており、この日３位決定戦で勝利した履正社を含めた３チームが、来春センバツを懸けて近畿大会に乗り込む。