巨人は「90点以上」阪神は森木指名で全てが奏功 ドラフト総括【セ・リーグ編】
「プロ野球ドラフト会議」(11日、都内ホテル)
ドラフト会議が終了し、12球団から育成を含めて128選手が指名された。その成果が分かるのは来季以降となるが、それぞれ、各球団の狙いが見える指名となった。
▽セ・リーグ
【ヤクルト】外れ1位で法大の山下輝投手の交渉権を獲得した。「左投手、即戦力を狙っていた。2回目にはなったけど、山下君を指名できてよかったです」と高津監督。投手力強化へ、最速156キロの剛速球が光る日本通運・柴田も3位で指名した。
2位では俊足巧打が光る明大・丸山。4、5位は高校生で将来性も見据え、高津監督も「一巡目のくじを当てられなかったんですけど、そのあとの左ピッチャーであったり野手であったり高校生の内野手、ピッチャー、すごくバランス良く指名できたと思います」と振り返った。
【阪神】外れ1位で高知・森木の交渉権を獲得できたことで2、3、5位では大学・社会人の3投手を指名。6位の日立製作所・豊田は補強ポイントだった強打が光る右打ちの外野手。4位では甲子園でも活躍した左の長距離砲の智弁学園・前川、7位は京都国際・中川も将来性豊な強肩捕手だ。
来季も見据えた補強となり、矢野監督は「いいドラフトができた」と満足げ。「森木が残っていた流れからトータル、左補強できてとか、岡留も取れてか全体的な流れが良かった」と総括した。
【巨人】先発の駒不足に泣いた今季。弱点解消へ、7選手のうち6選手が投手となった。
外れ1位は右でナンバーワン評価をしていたという関西国際大・翁田を指名。2位でJR東日本・山田、3位も日大・赤星と即戦力で戦力アップを図った。センバツ優勝投手の東海大相模・石田、明徳義塾・代木、広島新庄・花田の将来性豊かな投手も3選手指名。5位指名の法大・岡田はチームに不足する左のスラッガー。原監督は「90点以上ですね。上位指名はもちろん、4、5、6、7位も非常に魅力ある選手。よくぞこういう素晴らしい選手が残ってくれた」とうなずいた。
【広島】ドラフト1位で関西学院大・黒原、2位で三菱重工West森の左腕2投手、3位では補強ポイントの右打ち外野手、トヨタ自動車・中村を指名した。4位で左のスラッガー愛工大名電・田村を挟んだが、5、6位も社会人2選手を指名するなど即戦力へのこだわりがみえた。佐々岡監督は「左の即戦力として黒原君も評価していた。即戦力と完成度もしっかりできている」と語った。
【中日】12球団ワーストの得点力不足解消へ、1位でブライト健太、2位で駒大・鵜飼、6位で大阪商業大・福元と強打の外野手をトリプル獲り。メッセージ性の強いドラフトとなった。
大野雄に続く存在としての期待をこめ、独立リーグの155キロ左腕、九州AL熊本・石森を3位指名。毎年こだわる地元枠で豊橋中央・星野を5位指名した。
【DeNA】ドラフト1位で高校生ナンバーワン投手の呼び声があった市和歌山・小園の交渉権を獲得。5位でも甲子園で活躍した専大松戸・深沢を指名して将来を見据えた。三浦監督は小園について「高校生の中でも飛び抜けている。スカウトの中でも一番評価が高かった。もっとすごい選手になるのが楽しみ」と満足げだった。
一方で今季は12球団唯一のチーム防御率4点台と苦しんだことから、2位で早大・徳山、4位で法大・三浦の先発型右腕も指名した。5位では左の強打者、神奈川大・梶原。三原代表は2位指名した早大・徳山は「大学生の投手の中で1番の評価」と明かし、野手についても「内、外野、うちの中では評価の高い選手でバランスのいい獲得」と話した。