楽天は独自路線 ソフトバンクは「満点」各球団の狙いは?ドラフト総括【パ・リーグ編】

 「プロ野球ドラフト会議」(11日、都内ホテル)

 ドラフト会議が終了し、12球団から育成を含めて128選手が指名された。パの各球団はサプライズ指名を連発し、5球団が単独で1位指名。西武も4球団競合の末に交渉権を獲得し、理想的な展開となった。成果が分かるのは来季以降となるが、各球団の狙いが見える指名となった。

 ▽パ・リーグ

 【オリックス】1位で東北福祉大・椋木を単独指名。補強ポイントであるリリーフでの起用も見据えた補強となった。さらに二遊間強化へ巧みなバットコントロールが光る関大・野口を2位指名。3位では強肩捕手の国学院大・福永、4位も慶大・渡部、6位はセガサミーの右腕・横山と即戦力重視のドラフトとなった。高校生は5位の大阪桐蔭・池田だけだった。

 【ロッテ】井口監督が「チームの一番の補強ポイントだった」と振り返ったドラフトは、大方の予想を覆して1位で市和歌山・松川を指名。「将来必ずマリーンズそして日本を代表する捕手になる」と太鼓判を押した。

 2位で右のパワーヒッター国士舘大・池田、3位で三菱自動車倉敷の本格派右腕・広畑を指名できたことも大きい。

 【楽天】独自路線を貫くドラフトとなった。1位で長距離砲として期待される昌平・吉野を単独で指名。2位は愛知大の捕手・安田、3位は三島南の外野手・前田と、全国的には無名の選手の指名が相次いだ。

 石井GMは「名前がすごく分かる方が想像しやすいのかもしれないですけど、スカウトの皆さんはコロナ禍で大変な中でも、選手を担当地区で見てくれている」と説明。5位以下では大学・社会人の3投手を指名し、選手層を厚くした。

 【ソフトバンク】1位は公表していた明桜・風間で単独指名に成功。2位は大学生ナンバーワン外野手の呼び声が高い慶大・正木を指名した。

 今季は投手陣の故障に苦しんだことから、4、5位では即戦力投手も指名。王会長は「望んでいた通り風間君の交渉権が獲れて、その後の指名も狙い通り。今年は久々に満点と言える結果になったんじゃないか」と振り返った。

 【西武】4球団の競合を制し、1位で西日本工大・隅田の交渉権を獲得。2位でも筑波大・佐藤と即戦力左腕のダブル獲りに成功した。森に続く捕手として中大・古賀を3位指名。4、5位では素材型の高校生投手、6位では大型遊撃手の白鴎大・中山とチームの補強ポイントを的確に埋めた。

 【日本ハム】最も多い9選手を指名。将来性を重視したドラフトとなった。1位で長身右腕の天理・達、2位で強打が売りの千葉学芸・有園を指名。4位でも左のスラッガー岐阜第一・阪口、5位でも中京大中京・畔柳、7位で大阪桐蔭の大型左腕・松浦の交渉権を獲得した。

 JR四国・水野は俊足巧打が光る遊撃手。下位は即戦力での起用も見据えて大学社会人選手を指名した。

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