中日 来季監督に立浪氏 ミスタードラゴンズが貧打竜再建へ 球団打診に「恩返ししたい」
中日の加藤宏幸球団代表は12日、次期監督としてOBの立浪和義氏(52)に就任を打診したことを明らかにした。加藤代表は「今朝(12日に)打診した。前向きな返答をもらった」と話した。今季で3年契約が満了する与田剛監督(55)からは成績不振を理由に退任の申し入れがあったという。球団はシーズン終了後に正式要請するが、打診を受けた立浪氏は早くも就任への意欲を口にした。
2011年を最後に優勝から遠ざかる中日の立て直しは、長く球団の顔として活躍し、今もファンに愛される「ミスタードラゴンズ」の立浪氏に託される可能性が高まった。正式にチームに戻れば09年の引退以来だ。
今季は1試合の平均得点が3点に届かない深刻な得点力不足に陥っている。球団で歴代最多の通算安打を誇る立浪氏に求められるのは、何よりも打力の向上で、加藤代表も「次の監督の人選にあたって課題は打つ方と明確だった」と明言。立浪氏から「(球団に)恩返ししたい気持ちが強い」と就任に向けて前向きな言葉があったことも明かした。
09年に引退した立浪氏は、13年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表の打撃コーチを務めた。現場から離れて長い時間が経過しているが、今春のキャンプでは中日の臨時コーチを務め「ユニホームを脱いで随分たっている。自分自身も勉強しながら」と指導者としての成長も念頭に根尾や京田らに積極的に声を掛けていた。
打線強化を球団も後押ししている。11日のドラフト会議では指名した6人のうち野手が5人。1位でブライト(上武大)、2位で鵜飼(駒大)と続けて長距離砲を選んだ。与田監督の下でエース大野雄やセットアッパーの又吉が好調時の状態を取り戻し、リーグ屈指の投手陣を誇るチームになっただけに、打線に厚みが増せば十分優勝を狙えるチームをつくれるはずだ。