オリックス・由伸 7冠締め 今季最終戦も完封!26日・ロッテ負けなら25年ぶりV
「楽天0-4オリックス」(25日、楽天生命パーク宮城)
勝利球をベースカバーに入った一塁で捕球すると、オリックス・山本は笑顔をはじけさせた。散発の4安打で今季4度目の完封は、球団新記録となる15連勝となった。
「とにかく勝つことだけを考えて思い切り腕を振りました。熱く戦いました。それほど大事な1試合でした」
今季最終戦。25年ぶりの優勝のためには絶対に負けられない一戦だった。高山投手コーチから「1人にさせないからな」と送り出された舞台でチームの思いを背負って投げた。
初回先頭、山崎剛の初球に155キロを記録すると146キロのフォークで空振り三振に仕留め、球団では2013年の金子千尋以来となる200奪三振に到達した。
「フォームが良い感じだった。良い感じに腕が振れていた。球速も出てたので。思いっきり投げた」
以降も155キロを連発し楽天打線を圧倒。六回2死二塁のピンチでは浅村の三遊間を抜けそうな当たりを紅林の美技に助けられた。
高山コーチから「決着を付けてこい」と送り出された九回。1死から浅村が放った右翼への大飛球を、後藤がジャンプ一番で捕球する超美技。バックに助けられて最後まで投げきり、チームを再び首位に浮上させた。
18勝で最多勝、勝率・783、206奪三振、防御率1・39、4完封の投手5冠に加えて、6完投、投球回数もトップの7冠は2リーグ分立後初の快挙となった。
「相手の結果待ちという形にはなってしまったんですけど、信じて待とうと思います」。エースはすべてをやり尽くした。あとは歓喜の瞬間を待つだけだ。
◆7部門トップ オリックス・山本は防御率、完封、勝利数、勝率、奪三振でリーグトップ。いわゆる“投手5冠”は2006年・斉藤和巳(ソフトバンク)まで7人が達成しているが、山本は完投、投球回数もトップ。投手5冠を達成した過去7人中、完投・投球回数もトップだったのは、1リーグ時代の38年秋・スタルヒン(巨人)、43年・藤本英雄(巨人)の2人。2リーグ分立後は誰も届いていない。
◆山本の防御率1.39 近年で防御率が1.50を切った投手は2011年・ダルビッシュ有(日本ハム)1.44、11&13年・田中将大(楽天=ともに1.27)。この2人の前となると1970年・村山実(阪神=0.98)までさかのぼらなければならない。山本の1.39も驚異的な数字だ。