佐藤義則氏 オリックスは中嶋監督の意識改革で粘り強いチームに
オリックスが25年ぶり、13度目のリーグ優勝を果たした。27日、2位・ロッテが楽天に敗れ、確定した。
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オリックスの今季を振り返れば、6月の11連勝あたりからどんどん勢いが付いて、着実に貯金をしていった、理想的な星取りで戦えたのかな、と思う。
こうした勢いは、やはり新しい戦力が加わってこそだ。例えば山本は「投げたら勝つ」ピッチャー。吉田正は「黙ってても打つ」バッター。投打の柱はもちろん最重要。しかし、その脇を支える選手の台頭がなくては、シーズンはもたない。
ここへ、ピッチャーなら2年目の宮城。バッターでは杉本が戦力として一本立ちした。それも“まずまずの活躍”なんてものではなく、宮城はエース級の成績を残し、杉本は4番にどっしりと座って、3割30本という結果を出した。
柱を支えるどころか、もう1本ずつ投打に柱が加わったのだから、チーム力が大いに上がるのも当然だろう。
ただ、それでも優勝には直結しない。チームカラーというのか、いい選手がたくさんいても、何か淡泊な感じで簡単に負けるシーズンが続いていた。
これが今季は、終盤に追いつく、ひっくり返すという粘り強い試合が増えた。中嶋監督の、若手積極起用策でチーム内に刺激を与えたことも、粘り強さを呼んだ。この意識改革こそが勝因だろう。(デイリースポーツ評論家)