広島商センバツ当確 終盤一気7点逆転20年ぶり 「できる」合言葉 広陵と決勝戦

 八回に一挙7点を奪って逆転した広島商
 2安打5打点と活躍した主将の広島商・植松
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 「秋季高校野球中国大会・準決勝、広島商9-6倉敷工」(30日、西京きずなスタジアム)

 準決勝2試合が行われ、県大会優勝の広島商(広島1位)は倉敷工(岡山1位)に9-6で逆転勝ちし、20年ぶりのセンバツ出場を当確とした。主将の植松幹太内野手(2年)が2安打5打点と活躍した。広陵(広島3位)は岡山学芸館(岡山2位)を7-4で下し、3年ぶりの春切符を確実とした。31日の決勝戦は秋季中国大会では91年以来となる伝統校同士のライバル対決となった。

 チーム一丸となって最後まで諦めない姿勢が終盤の猛攻劇を呼んだ。劣勢をはね返し八回に打者一巡、計10人の猛攻で一挙7点を奪った。逆転勝利したナインに荒谷忠勝監督(45)は「総力戦だった。七、八、九回としんどいところを選手たちが辛抱強く頑張ってくれた」とたたえた。

 初回に先制を許し、苦しい展開になった。三回に植松の2点適時打で一時1点差に詰め寄ったものの、五回まで毎回走者を出しながら、得点機を生かすことができなかった。中盤に突き放され、八回には無死一、二塁のピンチ。万事休すかと思われたが…。この窮地を無失点で切り抜けたことが、ゲームの流れを大きく変えた。

 直後に反撃開始。3安打と四死球で1点差に詰め寄ると、なおも1死満塁から代打・竹下偉磨琉(いまる)外野手(2年)が逆転の左前2点適時打を放った。「絶対かえしてやるという気持ちだった」。殊勲の一打で押せ押せムードになると、簡単に止まらないのが今の広商打線だ。さらに満塁から植松が左翼線へ試合を決定付ける走者一掃の3点二塁打。2安打5打点と躍動した頼れる主将は「チームを勝たせられて良かったです」と満面の笑みを浮かべた。

 逆転勝利を呼んだのはチームの信条としている「粘り」だ。どんな時でも前を向こうという思いを込め、新チームは「できる」を合言葉に一致団結した。大会前はコロナ禍で満足な練習時間を確保できない時期もあったが、「できる」とポジティブな心構えを持ち続けた。敗戦濃厚の中でもキャプテンをはじめ、選手同士が「できる」という魔法の言葉をかけたことが、一人一人の背中を押した。

 20年ぶり22度目のセンバツ出場が確実となり、31日の決勝はライバル・広陵と激突する。今秋の広島大会準決勝では8-4で下している相手だが、「素晴らしいチーム。いい試合ができればいい」と気を引き締めた指揮官。機動力を生かした伝統の広商野球を体現し、1993年以来となる秋の中国大会で頂点に立ち、春の聖地へ弾みをつける。

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