オリックス投手陣VSヤクルト打線! 高代流日本シリーズの見どころと予想は
プロ野球の日本シリーズが20日から始まる。球界のエース山本を擁するオリックス投手陣に、ヤクルト打線はどう立ち向かうか。チームカラーがハッキリしている中で、果たして勝つのはどっち?デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏が、今シリーズの見どころを探った。
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両チームとも最下位からのリーグ優勝だったが、オリックスに関しては“やっと優勝したか”という印象が強い。投手力がありながら勝ち切れない状態が続いていただけに、この優勝は意外でも何でもない。
一方、ヤクルトは投手力に劣っていたが、1年を通してベンチのやり繰りが奏功。特に抑えを石山からマクガフに代えて以降、安定感のある清水の投球と合わせて、勝ちパターンが確立したね。
さてこのシリーズ、どう展開していくか。先発投手の枚数と安定感ではオリックスが断然上。打線ではヤクルトか。以下、両者の特長を頭に入れて、試合の見どころを探ってみたい。
【1、2番の出塁】
ヤクルトは塩見と青木。この2人がいかに塁に出て3、4番につなげるか。塩見はCSで10打数4安打4打点。3四死球。MVPでもおかしくなかったほどで、かなり元気がいい。
オリックスの福田は粘り強い打撃をする。宗はパンチ力がついてきてた。出塁率という点では大差のないこの1、2番の出塁がポイントになってきそう。
【キーポイントは山田とT-岡田】
ヤクルトは山田のバットがシーズン終盤から湿りがち。いくら1、2番が出塁しても、クリーンアップが機能しないと、どうしようもない。村上1人ではCSのようにはいかないだろう。
オリックスはT-岡田の出来が勝敗を左右するような気がしてならない。ロッテとのCSでは投手戦の中、頑張っていたが、この“履正社対決”も見ものだね。
【東京Dでは継投がカギ】
ヤクルトは先発投手の頭数と質に劣るが、リリーフ陣はいい。シーズン終盤は安定感が増していた。それだけに後半勝負のもつれた展開に持ち込みたいだろうし、特にDHのない東京ドームでの3連戦は、その思惑が強いはず。
投手に打席が回ってきたあとの戦術と継投合戦には自信をもっていると見た。
オリックスは負傷明けの吉田正が外野の守備につくのは難しいかもしれない。また小刻みな継投と最後を託す平野に一抹の不安も。平野にはかつてほどの凄みがないだけに、ヤクルトサイドには“先発投手さえ降ろせば”という思いがあるのでは。
【原樹理に注目】
オリックスはボールの勢い、制球力、変化球のキレ-どれを取っても群を抜く球界ナンバーワンの山本で2勝したいはず。
ヤクルトは右手をケガした原の回復具合が気になるところ。彼は緩急を使えてコーナーに投げ分けられる。巨人も手を焼いていたタイプで、オリックスにも通用すると考える。山本をたたいて初戦を取れば、面白くなる。
【監督対決】
高津監督も中嶋監督も2軍監督を経験している。そこで鍛えた選手が1軍で活躍してチーム力を底上げしている。投手出身と捕手出身の違いこそあれ、選手の特長や長所、短所を把握し、選手起用に生かしている。
喜怒哀楽をあまり出さないところも共通しているね。ベンチの中の動きや表情を見るのも楽しみのひとつ。
では結論。このシリーズは4勝2敗でオリックスが勝つと予想しています。