山本由伸が満場一致で初の沢村賞 堀内恒夫氏はセ投手にゲキ「選考するには値しない」

 沢村賞を授賞した山本=都内のホテル
 沢村賞を受賞した山本=都内のホテル
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 オリックスの山本由伸投手に21年シーズンの沢村賞が授与されることが22日、発表された。山本の受賞は初。同賞の選考委員会が行われ満場一致で決まった。

 堀内恒夫選考委員長が、オンライン会見で「2021年度、沢村賞。簡単に申しますと、名前はもう出ています。今年は全会一致をもって、オリックスの山本由伸投手を沢村賞の受賞者といたします」と発表した。

 沢村賞は、大投手・沢村栄治氏を記念して制定されたもので、その年で最も優れた活躍をした「先発完投型」の投手におくられる。クリアすべき成績の基準が設けられており、防御率2・50以下(山本は1・39)、25試合以上登板(同26試合)、15勝以上(同18勝)、勝率6割以上(同・783)、150奪三振以上(206)の5項目をクリア。完投の基準は10だが、山本は6完投で、今季の候補者の中で断トツのトップ。投球回は基準の200回にわずかに届かない193回2/3で、異論は出なかった。

 堀内委員長は「他の投手は残念ながら、比べようがないぐらい、突出しております。それが全会一致の理由でございます」と説明。平松政次委員も「ドラゴンズの柳が4つ、阪神タイガースの青柳が3つ、則本が2つといったところで候補を比べてみますと、山本の数字が圧倒的、他を圧倒しているわけですよね」と続いた。

 阪急で活躍し、オリックスとなってからも指導歴がある山田久志委員は今春に山本を「沢村賞をもらえるようなそんな成績を修めて狙ってみろ」と激励したという。それが現実となり「非常にうれしいし、彼の成長がまたどんな成長をしてくれるかという楽しみのあるピッチャーに成長していってくれるだろうなと期待しながら、彼のこれからの野球人生を見守っていきたいし、期待も大きい」と語った。

 今季はコロナ禍を受けた9回打ち切りで行われたため、投手交代が早くなる傾向があったことを踏まえながらも、村田兆治委員は、完投数が全体的に少ないことを嘆いた。「沢村賞の価値ある、ファンから見ても、私達選考委員としてもすごく重みのある賞だと思います」と語り、「自己管理とモチベーション」の2点について「この辺のところを意識を変えていかないと。しっかりと調整もしていくには自己管理と体のケア。これがものをいうと思います」と各選手の奮起を期待した。

 基準となる数字を見直すことにも言及していた堀内委員長は「あまりにも山本由伸投手の数字が良すぎて、比較するところまでいきませんでした」と明かした。今季のセ・リーグの候補投手の成績を踏まえて「残念ながらセントラルリーグのピッチャーの成績では私は沢村賞を選考するには値しないというふうに思っております。もうちょっとセントラルリーグのピッチャーも頑張ってほしいなというふうに思うこのごろです」と、ゲキを飛ばした。

 また、北別府学委員は療養中のため、文章で意見を提出し出席に代えた。

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