中嶋オリックス 神戸で散る 延長十二回執念も打線が力出し切れず「悔しい」
「日本シリーズ・第6戦、オリックス1-2ヤクルト」(27日、ほっともっとフィールド神戸)
オリックスは神戸で25年前の歓喜を再現することはできなかった。延長十二回の激闘も力尽きた。
中嶋監督は「悔しい」を繰り返した。エース山本は八回までに自己最多タイの126球を投げても、志願して九回を投げてくれた。9回1失点の快投。にもかかわらず、勝利に導くことができなかった。
「あれだけの投球してくれたのに援護点が取れなくて、本来ならゆっくりと勝ちの余韻に浸ってるでしょうけど、それができなかったのが悔しいですよね」
気温6度。寒空の中、熱投を見せる投手陣に対して、打撃陣からなかなか快音が聞かれない。先制を許しながら五回に同点に追いつくも後が続かない。八回には1死一、二塁とするが、杉本は三振、T-岡田は一ゴロ。今季、何度も勝負強さを見せてきた主軸が応えられなかった。
リリーフ陣も延長十二回、2死から富山に代えて吉田凌で万全を期したはずが、決勝点を許してしまった。
「気負いなのか緊張なのか、思ったより動けなかったのはありました。それも込みでやらないといけない。こっちの責任だと思う」
日本一という宿題は残った。それでも2年連続最下位からの優勝という偉業には一点の曇りもない。
「まだまだ足りない部分もある。どちらかというと発展途上のチーム。やらないといけないことはたくさんある。これで終わりというよりも、チーム、個人、まだまだレベルアップできる。ゆっくり休んでもらいますけど、もう来年は始まっていると思います」
常勝チームへの成長はまだ始まったばかりだ。