コロナ禍に泣いた102回世代が甲子園へ 神奈川県選抜・田口「人生の宝物」
「マスターズ甲子園、三重12-9神奈川県選抜」(4日、甲子園球場)
神奈川県選抜で「3番・三塁」で出場した横浜商OB・田口凌内野手(19)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により最後の夏の甲子園を目指せなかった“102回世代”。憧れの黒土を踏み「甲子園の大きさとか威圧感というか、肌ですごく感じられた」と興奮を隠せなかった。
二回2死では強烈な三ゴロをがっちりと捕球。丁寧に一塁に送球し、「体が勝手に反応しました」と声を弾ませた。
「ゴロをさばく機会もなかった」と振り返った高校3年の夏。中止が決まった時には「まじか…」と現実を受け入れることができなかった。引退してからも、同校に在籍する弟の試合を見る度に「うらやましいなとか複雑な思いがあった」。心のモヤモヤは消えなかった。
出番はわずか2イニング。それでも、全力で聖地を味わった。「人生の宝物。高校球児の聖地と言われる理由がわかりました」。冬の甲子園で取り戻した青春。田口の顔は晴れやかだった。