ソフトバンク千賀 2億増の6億更改 オプトアウト付き5年契約…来オフメジャーも
今季国内FA権を取得したソフトバンク・千賀滉大投手(28)が5日、ペイペイドーム内で契約更改交渉に臨み、2億増の6億円の5年契約(変動制)でサインした。新契約には海外FA権を取得した際に、契約を破棄可能なオプトアウトが付いている。ポスティングシステムによる米大リーグ挑戦はかなわなかったが、来季中にも海外FA権を取得する右腕は、超大型契約さえも「夢」へのステップにする。
マウンド同様、千賀は会見場でも表情を崩さなかった。「責任感を持たないといけない」。育成での入団時は270万円だった年俸は、およそ220倍の6億円。4億6000万円の森を抜いて球団日本人投手歴代トップに躍り出た。
新契約は変動制による5年の複数年契約。だが、海外FA権を取得した場合は契約を破棄できるオプトアウトが付いた。「野球人として常に前を向いて進む中で、前があるので」。順調なら来季中に海外FA権を取得する。早ければ23年から米大リーグの舞台に立つことが可能となった。
今回、複数年契約を結んだ背景には今季の経験があった。両ふくらはぎの不安で出遅れ、初登板の4月6日・日本ハム戦で左足首の靱帯(じんたい)を損傷して長期離脱。「いつ大きなケガをするかは本当に分からないと、思わされた」。選手とすれば想定外のアクシデントがあっても保障され、球団としても国内他球団への移籍は防ぐメリットがある契約内容だ。
複数年契約を結んでも、突き進む道筋は変わらない。来季がホークスでの“ラストイヤー”になり得るエースは、「キャリアベスト。今までの数字を全部ぶち抜くぐらいの気持ちでいかないと」。憧れのメジャーへの扉を開くために、無双するシーズンを送る覚悟だ。