コロナ禍からの20年ぶり日本一奪還 デイリーが選ぶヤクルト10大ニュース
デイリースポーツが選ぶヤクルトの10大ニュース。今季は2年連続最下位からの日本一を達成し、下克上を見事に完結した。数々の偉業に、開幕直後に訪れた思わぬ試練。話題の多かった2021年を振り返る。
【1】6年ぶりのリーグ制覇&20年ぶりの日本一奪還
前半戦を3位で折り返し、後半戦でチームはさらに結束。9月7日からの首位・阪神との直接対決3連戦(甲子園)を前に高津監督が全員を集めて、「絶対、大丈夫」と“魔法”をかけた。指揮官の合言葉を胸に戦い続け、6年ぶりのリーグ制覇。巨人とのCSファイナルSは無傷で勝ち上がった。オリックスとの日本シリーズも4勝2敗で制し、涙と笑顔の日本一となった。
【2】山田MVP&村上決勝弾で東京五輪金メダル獲得に貢献
国際大会でも、ヤクルトパワーを見せつけた。山田が1次リーグ・メキシコ戦で3ラン、準決勝・韓国戦で決勝打。村上も決勝・米国戦で五輪での“プロ最年少アーチ”を記録。金メダルを手にすると、2人で打ち合わせていたという村上が山田をお姫様だっこするシーンもあった。
【3】村上が清原超えの史上最年少100本塁打を達成
9月19日・広島戦(神宮)。21歳7カ月の主砲がプロ4年目、通算379試合目で通算100号にたどり着いた。清原和博(西武)が持つ21歳9カ月の最年少記録を更新。「始まりもこの神宮だった。節目、節目は何か縁があるのかな」と笑顔で振り返った。
【4】次世代のエース候補・奥川が躍進
2年目の右腕が4月8日・広島戦(神宮)で待望のプロ初勝利。中9日以上と間隔を空けながらの登板でチームトップタイの9勝を記録。CSファイナルS開幕となった11月10日・巨人戦(神宮)では、自身初の完投となる完封勝利。11月20日のオリックスとの日本シリーズ開幕戦も先発を任されて、7回1失点の好投。新人特別賞を受賞した。
【5】開幕直後のコロナ禍
今季は悪夢の開幕3連敗からスタート。さらなる試練が待ち受けていた。3月31日、開幕5戦目となったDeNA戦。新型コロナウイルスの影響を受け、主力が離脱。さらにベテランの青木、内川、川端が濃厚接触者認定を受けた。村上はお立ち台で「僕がしっかりしないといけない」と話すなど、一丸となって乗り越えた。
【6】清水が50ホールドでNPBシーズン新記録を樹立
不動のセットアッパーにとって、今季は「初ものづくし」だった。通算100登板目でのプロ初勝利時は、高津監督が「200勝まで2万試合か」とコメント。初セーブも記録し、53ホールドポイントで2年連続最優秀中継ぎのタイトルを受賞した。さらに50ホールドで10年・浅尾(中日)が持つプロ野球記録を更新し、リーグ特別賞も贈られた。
【7】青木が日米通算2500安打を達成
5月26日・日本ハム戦(神宮)で日本選手では史上4人目の大記録を達成。日米通算2500安打は過去にイチロー、松井秀喜、松井稼頭央が達成している。日本のプロ野球だけで2500安打を達成した選手も7人しかいない大記録だ。
【8】春季キャンプで古田臨時コーチが指導。捕手改革に成功
古田氏臨時コーチが沖縄・浦添で投げて捕るはの大ハッスル。惜しみなく指導を行い、バッテリーミーティングでは熱い言葉を投げかけた。すると、中村が日本シリーズでMVPを獲得するなどの大活躍。レジェンドが急成長に一役買った。
【9】石川がリーグ最年長日本シリーズ星
41歳のベテラン左腕が、日本シリーズ第4戦に先発。6年前は勝てなかった大舞台で、6回3安打1失点。セ・リーグでのシリーズ最年長勝利を挙げた。シーズンでは大卒投手では史上初となる入団1年目から20年連続勝利も達成した。
【10】川端が歴代2位の代打で30安打
10月21日・広島戦(神宮)で、07年に真中満(ヤクルト)が記録したシーズン代打安打記録「31」まであと1に迫った。新記録達成はならなかったが、日本シリーズ・第6戦では20年ぶりの日本一を決める決勝打を放ち、輪の中心で歓喜の涙を流した。