キャンプ初日 全助っ人不在も 有観客予定も今後議論へ「オミクロン株」沖縄で急増
日本野球機構(NPB)は5日、2022年の仕事始めを迎えた。プロ野球の斉藤惇コミッショナー(82)は「オミクロン株」の感染拡大から政府が外国人の新規入国を原則禁じている現状を踏まえ、2月1日の春季キャンプ初日は全助っ人不在でスタートとなる可能性を示唆した。その上で開幕までに入国できるよう政府などと交渉していく方針。また沖縄県での感染拡大を受け、2月の春季キャンプの有観客実施についても、今後の議論の対象となるとした。
コロナ禍で迎える3年目のシーズン-。新たな変異株「オミクロン株」の出現により、今年もプロ野球は難しい判断、決断を強いられることになりそうだ。
政府は水際対策としての外国人入国禁止措置に関し、来週に継続か否かの判断をする予定。助っ人の入国が不透明な中で待機期間なども考慮し、斉藤コミッショナーは「キャンプから(合流)というのは時間的にできるかどうか分からない」との見解を示した。
ただ「少なくとも(開幕の)試合は最初から出られるようにしないと」と、感染状況を見ながら開幕に外国人全選手の試合出場が可能となる方向で政府と交渉を進める考えだ。
昨季は契約上のビザ取得のタイミングを含め、DeNAなどで開幕までに外国人選手が入国できない事態となった。各選手の契約内容は「昨年の暮れに私からも、球団の契約はしっかりしておいてくださいとお願いはしている」と認識を共有。それらをクリアにした上で、早期入国が可能かを探る方針だ。
また選手の家族についても同様に働きかける考え。昨季は家族が来日できないことから、巨人・スモーク、ソフトバンク・レイ、西武・メヒアらが自主退団する要因となった。
8月以降に一時緩和されたが、斉藤コミッショナーは「みんな家族を大事にしている。家族は入れるようにしたい。これは人道的な問題もある」と選手同様に家族の入国も交渉のポイントとした。
さらに今年は有観客でのキャンプ開催を予定しているものの、沖縄県で感染者が急増。この日は623人となり、政府は同県での「まん延防止等重点措置」の適用について、7日に決定する方向で調整に入った。
「選手の体をどう守るか、お客さんを入れるか入れないか。新しい課題が出てくる」と推移を見守りながら、キャンプ有観客の可否が今後の議論対象となる可能性を示唆した。
その上で斉藤コミッショナーは「お客さんの制限無しで143試合、CS、日本シリーズもやりたいという計画、夢を持っている」と今季の目標を掲げた。新たな難局にも野球の日常を取り戻すため、2022年もコロナ対策に注力していく。