馬場敏史氏の眼「高津監督の殿堂入りに拍手を送りたい」
野球殿堂のプレーヤー表彰でヤクルト・高津臣吾監督、元中日の山本昌両氏が14日に選出された。現役時代、高津監督と同時期にヤクルトのユニホームを着たプロ野球OB・馬場敏史氏(57)は朗報に拍手を送りつつ、その現役時代の経験が昨シーズンの日本一につながった、と分析した。
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高津監督、おめでとうございます!日米通算313セーブという、素晴らしい記録は殿堂入りにふさわしいものだと思いますね。
しかもその大記録の裏には相当な努力と苦労があった。そこが大切なんだと思います。日本で十分な実績を残しながら大リーグに挑戦した。さらにはNPBから離れて独立リーグも経験した。
現役時代に目を向ければ、クローザーとして一番大事な場面を任される立場にあって、しかも「抑えて当たり前」という感覚で周囲からは見られる。仮に失敗しても、また次回、厳しい場面で登板しないといけない。
こういう経験を数え切れないほど繰り返す中で、プレッシャーを乗り越え、辛抱強く野球に向き合える選手像ができあがっていったんだと思います。
そこをしっかり評価された上での殿堂入りだから、価値があると感じるんですね。
だからこそ今、強く思うのが昨年の采配です。もちろん、野村克也さんから得たものもあるでしょう。加えて先に示したキャリアや選手時代の体験。
これが例えば「塩見はどこまでも我慢して使う」というような辛抱強い采配にも通じているのではないでしょうか。
前年最下位です。本当なら実績のあるベテランの力に頼りたいところですが、高津監督は「育てながら勝つ」というところにこだわって、見事、結果を出しました。辛抱強さと、「やる」と思えば腹をくくって貫く覚悟の強さ。
日本一監督と野球殿堂入りという二つの称号を手にする原点として、現役時代の勇姿を懐かしく思い出しました。