元阪急・足立氏「本当に光栄だった」エース里中のモデルが“戦友”水島氏追悼
元阪急の足立光宏氏(81)が17日、漫画家の水島新司氏が82歳で死去したことを受け、哀悼の意を示した。人気野球漫画の「ドカベン」で、神奈川県・明訓高校のエースであった里中智の投球フォームのモデルとなった、下手投げのレジェンド右腕。野球界を盛り上げてくれた“戦友”との別れを惜しんだ。
野球界を盛り上げた仲間がまた1人、旅立った。プロ通算187勝を挙げ、阪急の黄金期を支えた足立氏。同世代で漫画家の水島新司氏が82歳で死去したことを受け、哀悼の意を示した。
人気野球漫画「ドカベン」で、神奈川県・明訓高校の主人公・山田太郎とバッテリーを組んでいたエース里中智。その投球フォームのモデルとなったのが、足立氏だった。下手投げから強打者をねじ伏せるスタイル。「モデルにしていただいたのは、本当に光栄だった」と思い返す。
水島氏と深く話をしたことはなかったが、面識はあった。「水島さんは、南海ホークスのファンだったみたいで、ナンバ球場(大阪スタヂアム)であいさつしていただいたことは覚えています」と振り返った。
「野球狂の詩」や「あぶさん」など、水島氏の作品は野球を題材としたものが主だった。足立氏も現役時代、喫茶店で読んでいたという。「本当に絵がきれいで。劇画的な漫画で、野球界を盛り上げてくれた。ご冥福を心よりお祈り致します」と話した。
多くの人に野球の魅力を伝え、盛り上げた水島氏。その存在は長きにわたってプロ野球選手にも影響を与え、“戦友”として認められていた。
◆足立 光宏(あだち みつひろ)1940年3月10日生まれ、81歳。大阪府出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。市立西、大阪大丸を経て59年に阪急へ入団。アンダースロー特有のボールの軌道を生かした投球で64年から4年連続2桁勝利を挙げるなど活躍。79年現役引退。現役通算676試合で187勝153敗3セーブ、防御率2・91。最優秀防御率1回(67年)、最優秀選手1回(67年)、ベストナイン1回(67年)、ダイヤモンドグラブ賞4回(72、74~76年)