漫画家の水島氏に感謝 佐藤義則氏「パ・リーグにスポットライトを当ててくれた」

 「ドカベン」「あぶさん」「野球狂の詩」などの野球漫画で知られる漫画家の水島新司さんが今月10日、亡くなった。82歳だった。水島さんの作品には数多くの実在のプロ野球選手が登場。デイリースポーツ評論家で阪急、オリックスで通算165勝を挙げた佐藤義則氏(67)もその一人だ。南海だけでなく、阪急を題材にした作品も残すなどパ・リーグにスポットライトを当ててくれた水島さんへ感謝の思いを語った。

 ◇  ◇

 水島先生が亡くなったのは新聞を見て知った。最後に会ったのはかなり前。数年前に漫画の世界から引退され、お年もお年だったのでどうされているのかなと思っていたが、亡くなったと聞いて、やっぱりびっくりしたし、残念という言葉しか出てこないよね。

 先生とは球場でよくお目にかかったし、先生が山田(久志=阪急投手)さんと親しかったこともあって食事に誘ってもらったことも何度かあった。野球で大好きで、とても気さくな人だったね。

 漫画にもよく登場させてもらった。「あぶさん」では主人公の景浦安武と何度も対戦したよ。景浦も長く現役を続けたけど、自分も44歳まで現役だったから、その分、登場回数も多くなったんじゃないかな。「ドカベン プロ野球編」でも、西武に入団したばかりの山田太郎と対戦したことがあった。若手対ベテランという対決シーンで描かれていた。

 ご存じの通り、先生は南海ホークスのファンだったけど、山田さんと親しかったこともあって阪急の選手もよく描いてくれた。確か読み切りだったと思うけど、阪急ブレーブスを題材にした漫画を描いてくれたこともあった。漫画の中の私は“飲んべい”に描かれていて、そのおかげで本当に飲んべいになってしまったけど(笑)

 でも、そうやって漫画に自分のことを描いてもらえたことは本当にうれしかったし、励みにもなっていた。多くの人に自分のことも知ってもらえた。今でこそパ・リーグも人気があるけど、私が現役の頃はセ・リーグと比べて注目度も低くてスタンドがガラガラなんて試合も多かった。そんなパ・リーグに漫画を通してスポットライトを当ててくれたことがうれしかったね。

 先生が野球界に残した功績は本当に大きい。野球をやる子供たちはみんな先生の作品を読んでいた。「ドカベン」シリーズは累計で205巻までいったんだってね。あぶさんも107巻。本当にすごい。あれほどの野球漫画はもう出てこないんじゃないかな。先生には、これからも天国から野球界を温かく見守ってくださいという言葉をお伝えしたい。

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