落合博満氏「勝つ野球より負けない野球が大切」昨季V逸の阪神は「そんなの体力不足だろ」

 元中日監督で、野球評論家の落合博満氏が27日、深夜に放送されたMBSテレビ「ONE NUMBER」(関西ローカル、前1・29~)に出演。元阪神タイガースの掛布雅之氏との初共演で、阪神の昨季V逸について持論を展開した。

 落合氏は中日の監督として4度のリーグ優勝。8年の在任期間は全ての年でAクラス入りを果たした。掛布氏から「(昨季は)タイガースが優勝すると思っていたんですよ」と話を向けられると、落合氏は「そんなの体力不足だろ。失速すると言えば、そういうことですよ」と即答した。

 昨季の阪神は4月終了時点で、20勝9敗と開幕ダッシュに成功。だが、最終的にはヤクルトに追い越され、16年ぶりのリーグ優勝を目前で逃した。落合氏は「振る体力、走る体力、投げる体力。結局、技術論になっちゃうと言うけど、技術の維持って体力があって初めてできる。その体力がなくなってくると、技術も崩れてくるんです」と指摘した。

 監督最終年となった2011年シーズンを例に、掛布氏は「落合さんに阪神と中日の差について聞いたことがある」と明かすと、落合氏は「センターラインの守備力。特に二遊間」と答えたという。

 同氏は「とにかく守る野球を徹底させたんです。イヤっていうほどノックバットを振ったもん」と前置きした上で、当時の逸話も披露。「井端と荒木はね、オレはノックバットを振る時にジャンパーを着てたの。このジャンパーをどうにかして脱がせたいと。いくら暑くても脱がなかったから、脱ぐまでやったという話を聞いたことがある」と明かした。

 さらに「守りってスランプがないじゃん。打撃は水物って言うじゃん。これほど計算が立たないものがない。とにかくノーヒットで1点を取れる野球というのを考えながらやったね」と説明。同年の中日は75勝59敗、10分け。打率・228、419得点はいずれもリーグワーストの数字だが、失点410点、防御率2・46は逆にトップだった。

 落合氏はシーズンの戦い方として「オレがやった(監督の)時は、選手に60敗はしてもいいと言っていた」と説明。「60敗の仕方、負け方ってあるんですか?」と問う掛布氏に、「負け方がある。中継ぎがどうしようもない(疲れている)っていうのであれば、10-0でも先発に投げさせる。負けるべくして負けたというのは、あってしかるべきだと思うよ」と続けた。

 それでも「阪神、巨人はそれが難しいんですよ。(ファンやマスコミに)叩かれるから」と苦笑いする掛布氏に、「最終的に優勝すりゃあいいんだろ?と、優勝しないからいけないんだよ」と言い切り、掛布氏も「これをできる監督が、阪神の優勝につながると思っている」とうなった。

 落合氏は最後に監督としての持論を展開。「勝つ野球というより、負けない野球が大切です。大事な数字?0でしょう。勝てなくても負けないということを考えればね」と名将の考えを明かした。

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