新庄ビッグボスのお願いで実現 前代未聞!中日・立浪監督が日本ハム・清宮に打撃指導
「練習試合、中日7-4日本ハム」(16日、Agreスタジアム北谷)
日本ハムの新庄剛志ビッグボス(50)が16日、前代未聞の行動に出た。練習試合・中日戦(北谷)の試合前練習で、立浪和義監督(52)になんと清宮幸太郎内野手(22)の打撃指導を依頼。敵将も二つ返事で受け入れ、約5分間の即席“立浪教室”が実現した。ビッグボスはそのまま立浪監督と打撃論を展開。打撃練習中の約25分間、2人の新人監督は熱い議論を交わした。
見たこともない光景が、繰り広げられていた。バットを手に真剣に打撃指導をする立浪監督。ビッグボスはにこやかに見守り、中央には直立不動の清宮。敵将が自チームの選手を指導する-。普通はあり得ないことが、北谷で起こっていた。
ビッグボスは「立浪さんから良くしてもらった。バッティングの指導とか、どういうふうに選手を育てていくかという話も」と対面を振り返った。
選手のレベルアップのためなら、敵も味方も関係ない。これが新庄流。球場入りして立浪監督にあいさつ。その際に「お願い。ちょっと見てください」と頼み込んだ。「普通に『分かった、分かった。すぐ行くわ』って」。前代未聞の敵将による打撃指導は、あっさりと実現した。
求めたアドバイスは「(清宮の)タイミングの取り方。(投手寄りに)突っ込まないように言ってほしい」と説明。「左バッターが俺、分からんから」。分からなければ分かる人へ。名球会入りを果たした左の大打者に託したのだった。
ビッグボスは意外なエピソードを語る。「立浪さんに憧れて内野手に転向した-」。現役時代、阪神-中日戦で遊撃・立浪のプレーに心酔。転向を直訴した。内野手登録となった92年はオマリーが負傷して1軍昇格し、直後の5月26日・大洋(現DeNA)戦でプロ初本塁打。レギュラー定着へのきっかけをつかんだことに「(立浪監督が)チャンスを与えてくれた」という。
この日は球場入り後は監督室で、打撃練習中はグラウンドで長時間打撃論を交わした。「お互いに1年目同士だし。なるほどなっていうことをたくさん教えてもらいました」。敗戦の中で、有意義な時間を過ごした。