馬場敏史氏の眼「必死の生き残りをかけたオープン戦に注目」

 充実のキャンプを打ち上げ、ポーズを決める佐藤輝(中央)、大山(左から2人目)ら阪神ナイン(撮影・飯室逸平)
 三塁でノックを受ける佐藤輝(撮影・田中太一)
 笑顔を見せる九里(撮影・佐々木彰尚)
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 各球団の春季キャンプが終了し、オープン戦が本格化する。これまでのレギュラーであれば、3月25日の開幕に向けて調子を上げていく期間であり、まだ実績のない選手にとっては死活問題となるアピールの場だ。そんな泣き笑いを何年も見てきたプロ野球OB・馬場敏史氏が、コロナ禍にあって少し様相が変わってきたここからの1カ月について、思いを寄せた。

  ◇   ◇

 キャンプが終わりましたね。各球団、順調に来たところも、少し課題が残ってしまったところもあるでしょうね。ファンの皆さんには、ここから開幕までのオープン戦に臨む、各選手の思いを感じ取っていただけたらと思います。

 前年度のレギュラーにとって、オープン戦、特に中盤以降は調整の機会となります。投手であればイニング数、野手なら打席数や守備機会をある程度こなして、開幕にベストの状態を持っていく、という時期ですが、これも非常に重要な場ですから、誰一人気を抜くことはありません。

 ということは、これまで1軍に定着できなかった選手や新人にとっては、中盤まで、もしくは中盤以降でもレギュラーがベンチに引っ込んでから、というとても少ないチャンスでアピールする必要があるんですね。

 つまり、レギュラーも真剣ですが、そこに割って入ろうという選手はもう、文字通り必死でそのチャンスに臨むわけです。各選手の気持ちを測ってみると、違った目で観戦できるかもしれません。

 各チームに、どんな新戦力が出現するのか。非常に楽しみですが、今年は少しだけ、チャンスが増えるかも知れません。外国人選手の入国が制限されているためです。通常、外国人選手に対する“見極め”はあまりありません。球団が「これだ」と思って、お金を払って来日するわけですから、ほとんどの外国人選手には1軍、レギュラーが約束されます。そこが、コロナ禍で手薄になりますからね。

 これまでの経験から言えば、少しでも1軍経験のある、2軍の選手は戦力となる可能性が比較的高いです。一方で、新人の、特に野手は、1年間の長丁場を乗り切るスタミナなどから言っても、いきなりのレギュラーは難しい。

 昨年で言えば、DeNAの牧は本当に大したものだと思いますよ。西武でも若林という新人が、44試合目までに20盗塁という素晴らしい活躍をしたのですが、そこで靱帯損傷という大けがに見舞われて、残りシーズンを棒に振りました。

 1軍に居続ける、というのは本当に大変なことなんです。

 だから新人野手について言えば、各球団首脳陣は「1人か2人出てくればもうけもの」という考え方をします。逆に言えば、これを覆すような、生きのいいルーキーが出てくればチームが活気づく。それを占うオープン戦が、いよいよ本格的に始まります。

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