ソフトバンクの三塁手争いが過熱 藤本監督も嬉しい悲鳴「みんな打ち出したね」
「オープン戦、ソフトバンク6-1巨人」(9日、ペイペイドーム)
ソフトバンクの正三塁手争いが白熱している。
この日、スタメンで出場したのは20歳の井上。8日の巨人戦(宇部)でオープン戦1号を含む5打点と大暴れした若武者は、この日も4打数2安打とアピールした。オープン戦打率はちょうど4割をマークしている。
打って結果を残すのが生き残る道だが、欲は出さないと決めている。結果を欲しがり出して、キャンプ終盤からオープン戦序盤は調子を落とした。「今日も結果を求めないことを心がけました。その結果いいスイングで、甘い球を仕留めることができていると思います。継続してアピールできるようにしていきたいです」と口にした。
この日のスタメン一塁手は松田だ。通算301本塁打など実績十分のスラッガーだが、今季は「ヒットをたくさん打ちにいく」と強引な打撃を捨てて臨んでいる。その結果、逆方向への打球が増えた。この日は3打数2安打。単打と二塁打をいずれも右へ流し打った。
そして、大砲と期待されるリチャードは途中出場で得た1打席で、中前適時打とアピールに成功した。この一打で打率を3割ジャストとした。「井上が結果を出しているので、自分も負けてられないという思いが強かったです。途中出場で1打席しかないと思ったので、強いスイングで長打を狙いにいきました。シュート系の球で少し詰まりましたが、振り抜くことができました。自分の持ち味を出してアピールしていきたいと思います」と鼻息荒い。レギュラー獲得へ必死だ。
藤本監督も嬉しい悲鳴を上げる。「みんな打ち出したね。リチャードも、井上のヒットを見て気持ちが入ったんじゃないかな。打席で集中し出したし、ああいう打席をずっと続けて、こっちを悩ませてくれたらありがたい。マッチ(松田)も打つしね。ちょっと悩んでいます」。
チーム内競争は三塁手だけでない。1、2番打者も未確定。ポジションでは中堅手争いが激しく、投手陣も開幕ローテ入りのアピール合戦が続く。
本来はこの日を境に開幕一軍争いに向けた絞り込みを行う予定だったが、藤本監督は11日からの東京遠征(ヤクルト3連戦・神宮)にも「全員連れていきます」と明かした。開幕は刻一刻と近づくが、新監督はどのタイミングで決断を下すのだろうか。