星稜の2年生右腕・武内 元プロ選手の祖父が見抜いた肩の強さ 夏にDNA開花だ
「選抜高校野球・準々決勝、国学院久我山4-2星稜」(28日、甲子園球場)
自分を援護してくれたエースが、隣で泣いていた。「真偉輝(マーガード)さんには頼ってばかり。もっと自分に何かできていたら」。甲子園初先発の星稜(石川)の2年生右腕・武内涼太投手は、相手の校歌を聞きながら唇をかんだ。
制球に苦しみながらも四回までは無安打無失点。しかし、2-0の五回に四球からのピンチで適時打を許して降板した。「最低5回は自分の役割」と仕事を果たせなかった。
恵まれた体格ですでに140キロ超の速球を投げる16歳。資質をいち早く見抜いたのは祖父だ。母の美香さん(54)の父は南海、広島の捕手だった長尾辰雄さん(故人)。小学2年の孫とのキャッチボールで「肩が強い」と気づき、野球チームに入れたという。
奥川(ヤクルト)に憧れて大分から星稜に進学。初の聖地は課題ばかりが残った。「制球や球の質、カウントのとれる球。変化球を磨いて勝負できる球を1つでも多くしたい」。制球や配球の大切さは祖父が教えてくれた。DNAは、夏に咲かせてみせる。
◇武内 涼太(たけうち・りょうた)2005年10月25日生まれ、大分県日田市出身。183センチ、77キロ。右投げ右打ち。投手。小学2年から野球を始め、三隈中では久留米東ボーイズ(硬式)に所属。高校では1年春に142キロを投げて背番号18でベンチ入り。変化球はスライダー、チェンジアップ、カットボールなど多彩、夢はプロ野球選手。