近江・大橋 人生初弾がサヨナラアーチ「すごく気持ちよかった」
「選抜高校野球・準決勝、近江5-2浦和学院」(30日、甲子園球場)
準決勝2試合が行われ、代替出場の近江(滋賀)がサヨナラ勝ちで滋賀県勢として初の決勝進出を決めた。エースで4番の主将・山田陽翔投手(3年)は、左足に死球を受けて足を引きずりながらも170球の熱投で4試合連続完投。同点の延長十一回に大橋大翔捕手(3年)がサヨナラ3ランを放った。
“内気”な正捕手がド派手な一発で試合を決めた。同点の延長十一回1死一、二塁。サヨナラのチャンスで8番・大橋が打席へ。エースを救いたい一心だった。
足を引きずりながら投げ続けた山田の球数は170球に到達していた。「どうにかしたい」。甘く内に入ってきた変化球を捉えて左翼席へ放り込んだ。
野球人生初の「柵越え」での本塁打は劇的なサヨナラ3ラン。ホームインと同時に力強く右拳を振り上げたヒーローは「すごく気持ちよかった」と控えめな笑顔で振り返った。
自己主張や感情を表に出すことが苦手。自宅でもほとんど話さず、両親も苦笑するほどだ。自分を変えてくれたのはエースだった。昨秋、山田から「日本一を目指すなら、それじゃダメだ」と、練習後に全員の前で話す訓練を課された。「毎日のように話して、伝えたいことを伝えられるようになってきた」と、成長を実感する。
新チーム発足から山田が掲げてきた「日本一」。大橋も思いは同じだ。「あと一つ。全員で勝ちにいきたい」と、堂々と言い切った。