大阪桐蔭がKK在籍の84年PL超えた 大会通算最多11発で4年ぶり4度目V

 「選抜高校野球・決勝、大阪桐蔭18-1近江」(31日、甲子園球場)

 近畿勢対決となった決勝で、大阪桐蔭が16安打を放って18-1で近江を下し18年以来、4年ぶり4度目の優勝を果たした。4本塁打を放ち、1984年・PL学園の8本を大幅更新するチーム大会通算最多11本塁打を記録。春4度目の優勝は2位・中京大中京(愛知)に並んだ。歴代2位の春夏通算優勝回数を9に伸ばし、決勝での不敗も継続。近江は滋賀県勢として初の頂点に届かなかった。

 人さし指を聖地の空に突き立て、マウンドを中心に歓喜の輪が広がった。高校野球の歴史に新たな1ページを刻んだ大阪桐蔭ナイン。決して自分たちは強いチームではない-。力を合わせ、全員でつかみ取った4年ぶりの頂点だ。

 昨夏の甲子園2回戦で敗れた近江へのリベンジマッチ。記録的な猛打で悔しさを晴らした。4本塁打を含む16安打18得点。圧倒的な力を見せつけた。

 三回無死一塁で3番・松尾汐恩捕手(3年)がチーム8本目の左越え2ラン。2死後に6番・田井志門外野手(3年)が中越えソロを放ち、1984年の清原、桑田らがいたPL学園を超える大会最多9本に到達した。

 勢いは止まらない。六回2死一、三塁は海老根優大外野手(3年)が左越え3ラン。さらに八回1死満塁で2番・谷口勇人外野手(3年)が決勝では史上3人目で、自身初の満塁弾を披露した。「憧れてきた舞台が甲子園だったので、しっかり準備できた」と納得した様子で振り返った。

 今大会は通算11本塁打。2000年夏に智弁和歌山が6試合で記録した春夏通じての1大会最多本塁打に4試合で並んだ。

 3年生はコロナ禍の真っただ中だった20年に入学した。学校はいきなり休校となり、部活動も停止。春夏の甲子園も中止となり、寮の食堂で涙を流す先輩の姿を見てきた。松尾は「自分たちは甲子園で、できているので、ありがたいと思っています」。今大会は4試合中3試合で2桁得点。聖地で戦える喜びは全て出し切った。

 新チーム結成後、公式戦は負けなしの20連勝。西谷監督は「いいチームから、少しずつ強いチームに変わっていっている発展途上ですので、春の山をしっかり下りて、夏にもっともっと強いチームをつくって、ここに戻ってきたいと思います」と子どもたちの成長を認め、さらなるレベルアップを目指す。

 昨秋の神宮大会に続き、再び立った頂点の座。12、18年に続く3度目の甲子園春夏連覇と、史上2校目の4冠(明治神宮大会、春夏の甲子園、国体)へ。常勝軍団は次の頂を見据えている。

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