悩める主将だった大阪桐蔭・星子を救った兄の助言 「優しいだけでは務まらない」

 「選抜高校野球・決勝、大阪桐蔭18-1近江」(31日、甲子園球場)

 閉会式後の記念撮影で、大阪桐蔭・星子天真内野手(3年)は優勝杯を手に少しだけ笑った。主将としてチームをまとめ上げた背番号4。昨秋の神宮大会を制しても、今大会圧倒的な力で勝ち進んでも「自分たちは力がない」と言い続けてきた。

 12年の春夏連覇に貢献した森友哉(西武)に憧れ、熊本から越境入学。新チームから主将就任後、仲間に言いたいことが伝わらず、悩んだこともあった。

 帰省時、福岡大大濠の主将を務めた3歳年上の兄・海勢さん(20)に相談。一緒に風呂につかりながら「優しいだけでは務まらない。厳しく言わないといけないときもある」と助言をもらった。それからき然とした態度と、「一緒に巻き込むような話し方」を心がけ、チームの絆を作り上げていった。

 無敗で春の頂点に立っても「先輩たちに比べたらまだまだ力はない」と言い切った。「優勝できたことを過信ではなく自信につなげていきたい」と夏の戦いへ、気を引き締めた。

 ◆星子 天真(ほしこ・てんま)2004年10月10日生まれ、17歳。熊本市出身。168センチ、72キロ。右投げ左打ち。内野手。小学2年で野球を始め、武蔵中時代は泗水ボーイズで二塁手として全国大会に出場。大阪桐蔭では2年秋から背番号4でベンチ入り。50メートル6秒5。将来の夢はプロ野球選手。

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