「首都大学野球、日体大１１－０桜美林大」（２日、バッティングパレス相石スタジアムひらつか）

　昨秋３位の日体大が７回コールドで開幕白星を飾った。ドラフト１位候補で、投打二刀流の矢沢宏太投手（４年・藤嶺藤沢）は「３番・投手」で先発出場。投げては５回１安打無失点、打っては４打数４安打３打点と大活躍だった。

　初回、１死三塁の場面で先制打となる右前適時打を放つと、２打席目は右前２点適時打。３打席目は中前打、最終打席はカウント３－２から左前打と左右に打ち分け、持ち前の打撃センスを発揮した。投手としてはスライダーを主体に直球とフォーク、チェンジアップを織り交ぜた投球で相手にすきを与えなかった。

　試合を振り返って、矢沢は「自分の打撃で先制打を取れたのはよかった。ピッチングも打撃も力みなくできた」と納得の表情。その上で「ストレートも力を入れずに投げていたのでもっといけるかなというのはある」とこれからさらにギアを上げていく。

　この日はプロ野球１１球団２７人のスカウトが視察し、阪神の平塚スカウトは「体のキレが素晴らしい。身体能力の高さが打撃もピッチングも両方に出ているし、足も速い。（二刀流も）全然いける」と太鼓判。ロッテの榎スカウト部長も「（投打）両方ポテンシャルが高いし、足があるのは魅力」と評価した。

　二刀流として注目が集まる中で結果を残したが、矢沢自身は「特別な感情はなく普段通りできた」と平常心。「注目されていることはありがたい。いいプレーをしないといいことは言えない。そのためにもいいプレーをしたい」とモチベーションにする。

　７回コールドと幸先のいいスタートを切り、「リーグ優勝してその先の日本一を目指したい。（個人としては）最優秀投手と首位打者を目指してやっていきたい」と矢沢。勝負の大学ラストイヤー、チームにとっても自身にとっても最高の１年にする。