新庄ビッグボス えっ!?落ちた!「ビックリ」初のサヨナラ勝ち 宇佐見が劇打

 9回、まさかのサヨナラ勝ちに喜ぶ新庄ビッグボス(左端)=撮影・中島達哉
 9回、サヨナラ打を放ち仲間から祝福を受ける宇佐見(手前右から3人目)
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 「日本ハム3-2ロッテ」(6日、札幌ドーム)

 敗戦を重ねた悔しさと勝利への渇望感。強い思いが、予想外の結末を導いた。日本ハムは同点の九回無死一塁から、石井が初球でエンドランを決めて一、三塁。そして宇佐見だ。2球目を打ち上げた打球は左翼線への浅い飛球。だが、左翼・高部が判断ミスで見送ると白球がフェアゾーンで跳ねた。

 意外な形で訪れた新庄ビッグボスの初サヨナラ勝ち。ただ、宇佐見を祝福するナインの笑顔が、この1勝の大きさを物語っていた。

 「打った瞬間は『あ~やっちゃった』と。からの『おーっ、よっしゃ!』みたいな感じでビックリしました」と劇的瞬間を振り返った宇佐見。巨人時代の17年の本塁打以来となるサヨナラ打だ。仲間の手荒い祝福も「久しぶりなんでうれしかった」と喜びを表した。

 幸運な勝利だが、引き寄せたのは宇佐見の不断の努力と、ビッグボスの存在だった。

 監督就任後の初対面で「打撃を期待している」と声を掛けられ、今春キャンプ中には「左手の使い方をアドバイスしてもらった」とボスのメジャー時代の同僚、バリー・ボンズをイメージした打撃フォームに変えた。

 ボスと選手が試行錯誤を経てつかんだ一打。ただ、初のサヨナラ勝ちにもビッグボスは広報を通じて「今日は選手に聞いてあげて!選手!選手!」と短いコメントを残すのみ。主役は選手に譲った。

 連敗を4でストップして今季2勝目。ただ数字は問題ではない。「目先の1勝より、この先の成長に期待している」と言い続けたボスの言葉通り、チームの成長曲線はここから上昇カーブを描く。

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