巨人・ドラ1大勢が7戦7S 開幕11試合で球団タイ記録 角以来44年ぶり快挙
「広島1-2巨人」(6日、マツダスタジアム)
球団史に名を刻むマウンドを前に巨人・大勢は落ち着いていた。「(記録は)知っていたが、特に意識することはなかった」。味方が八回に逆転して巡ってきたプロ7戦目のマウンドで早くも7セーブ目をマークし、角盈男(当時・三男)が持つ球団新人最多セーブ記録に44年ぶりに並んだ。
危なげない投球で締めた。まずは先頭の坂倉を直球で二ゴロに仕留めると、会沢も同球で右飛に。最後の宇草も直球で空振り三振に斬って取り「真っすぐで押せていたので、今日は良かったかなと思う」とうなずいた。自慢の武器で相手を圧倒し、マウンドで笑みがはじけた。
再起を懸けて奮闘する姉・あかりさん(28)の存在も右腕の励みになっている。あかりさんは陸上選手で駅伝やトラック種目などで活躍。社会人・天満屋に所属して、ケガなどを理由に2018年に退社していたが、4月から4年ぶりに同部で現役復帰を果たした。
姉が「ケガで苦しんでいる姿を見ていた」という大勢。だからこそ「もう一度陸上に取り組む姉を見られるだけでうれしい」と喜び、「負けずに頑張ろうと思う」と自らの糧にもしている。
頼もしい新人右腕に原監督も「日々、新たなものと対面しながら成長していってくれれば」と目尻を下げた。まだシーズンは11試合を終えただけ。長い道のりでどれだけのセーブを積み上げていくのか、期待は増すばかりだ。
◆巨人新人投手のセーブ 大勢が7セーブ目。これまでの巨人新人最多セーブだった78年・角の記録に並ぶ球団タイ記録。
◆大勢(翁田大勢=おうた・たいせい)1999年6月29日生まれ、22歳。兵庫県出身。181センチ、88キロ。右投げ右打ち。投手。西脇工、関西国際大を経て21年度ドラフト1位で巨人入団。西脇工では1年春から一塁手としてベンチ入りし2年から投手に本格転向。関西国際大では2年春からリーグ戦に登板。