巨人好調の原動力“ドラ1”続々大逆襲「スカウトの評価を証明」評論家の視点
巨人が16勝7敗と好スタートを切った。攻撃陣は本塁打26本、96得点がいずれもリーグトップ。防御率もリーグ2位の2・99と安定している。
特筆すべきは“ドラ1”勢の台頭だ。不安視されていたリリーフ陣ではドラフト1位・大勢が守護神で活躍。150キロ超の直球を軸に早くも11セーブを挙げている。
17年ドラ1の鍬原も9試合の登板で7ホールド、防御率0・00。2度の育成契約を経て、5年目にしてついに本来の力を発揮し始めた。
21日の広島戦では19年ドラ1堀田が4回4失点で降板すると、2番手で登板した20年ドラ1・平内が2回無安打無失点の好リリーフ。2年目にしてプロ初勝利を挙げた。
打線に目を向ければ16年ドラ1・吉川尚がリーグ2位の打率・360。近年チームの課題だった1番打者に定着し、打線をけん引している。
巨人OBでデイリースポーツ評論家・関本四十四氏は、「近年、巨人は150キロを超える真っすぐが持ち味のパワーピッチャーをドラフト上位で指名してきた。その選手たちがそろって芽吹いてきた形だよな。畠(16年ドラ2)もそうだけど、もともと持っているスピードボールはもちろんいいが、今季はそろってコントロールも安定している」と語った。
鍬原はプロの壁にぶつかり、苦しんでいた選手。試行錯誤しながら、サイドスローに挑戦した時期もあった。関本氏は「ようやくシャープに腕を振れる場所を見つけたんだろう。体の使い方など、サイドスローを経験したことも無駄になっていないのではないか。今は自信満々で腕を振っている」とした。
伸び悩んでいた巨人ドラ1勢の大逆襲に「まだ序盤とはいえ、スカウトが評価していた時の力を証明できている。スカウト陣も安どしているところはあるだろうな」と関本氏。堀田、鍬原、吉川らけがで苦しんだ選手も多いだけに、「すでに大勢含めて休ませながら使っているけど、あとはけがをしないように。1年間戦えたら自信もつくだろう」。ドラ1勢の大量ブレークとなれば、悲願の日本一奪還も見えてくる。