中日・根尾 2軍戦でプロ初登板&150キロ 春夏連覇18年以来の甲子園マウンド
「ウエスタン、阪神5-10中日」(8日、甲子園球場)
中日の根尾昂外野手(21)が8日、ウエスタン・阪神戦(甲子園)で公式戦初登板を果たした。「2番・遊撃」で先発出場し、6点リードの九回からマウンドへ。甲子園に詰め掛けた2760人のファンがどよめいた。
向かったのは守っていた遊撃ではなくマウンドだった。「投げさせてもらって本当にありがたかったです。ファンの方もいてうれしかったですね」
春夏連覇を果たした2018年以来となる甲子園のマウンド。高寺の初球にはこの日最速となる150キロをマーク。1点を失ったが、1死二、三塁から江越に対してスライダー2球で追い込むと、最後は149キロの直球で空振り三振を奪った。
球数が20球に達したところで降板。遊撃に戻って試合終了を迎えた。片岡2軍監督は「ずっと機会があればと思って、立浪監督、落合ヘッド(兼投手コーチ)とも話していた」と明かし、「お客さんに喜んでもらうとかじゃなくて、本当に戦力として。彼の可能性を広げたり、見つけたりするために」と意図を説明した。
春季キャンプではブルペン入りし、4月2日・広島戦では延長十二回にブルペン待機。1軍の阪神戦後、立浪監督は「中途半端にならないようにやらせていきたい」と基本は遊撃としつつも、将来的な二刀流の可能性を否定しなかった。
◆主な二刀流 代表的な選手はエンゼルス・大谷翔平で昨年は打者で46本塁打、投手で9勝の活躍。中日では37年に投手で入団した西沢道夫が40年に20勝を挙げるなど通算60勝。野手では通算1717安打、212本塁打。1リーグ時代では巨人・川上哲治や阪神・藤村富美男も二刀流で活躍。同一年で投手&野手で出場した例は68年の近鉄・永渕洋三、97年と00年のオリックス・嘉勢敏弘。