「楽天１－８ヤクルト」（２７日、楽天生命パーク宮城）

　笑顔のＶサインだ。ヤクルト・塩見が止まらない。驚きの３打席連続アーチをかけた。開口一番に「まぐれです」と笑うと、「（課題だった）インコースをレフトにホームランが打てたのは、すごく自信になった」。敵地で５打点の活躍と暴れ回り、視線を独り占めにした。

　成長を感じる一発が、自らのＧＯ砲となった。初回に、内角寄りの低めの直球を左翼席へと一閃（いっせん）。「ちょっと詰まった」と振り返るが、攻められ続ける内角対策で結果を示すと、二回には１死一、二塁から右中間席へ３ラン。四回にはバックスクリーン左に、真芯で捉えて運んだ。

　“驚”弾３発に、高津監督もベンチで驚きの表情。そんな塩見の今季のテーマは「自立」だ。昨季からレギュラーに定着。昨季までは室内練習場で嶋や川端らと早出練習が日課だったが、今季からは一人で練習に向かう。

　「ずっと聞きっぱなしっていうのもよくない。去年もらった助言を自分のものにしたいと思っています」

　ティー打撃やマシン打撃など、その日の状態を考えながら練習方法も日々試行錯誤。努力が結実した。「４打席目に甘い球を捉えきれなかったのは、自分の実力のなさ。これからまたどんどん練習して頑張っていきたい」。手に残る感触を自信に、悔しさを糧に－。塩見はまた、バットを振り続ける。

　◆３打席連続本塁打　ヤクルト・塩見が一、二、四回に３打席連続の本塁打。チームで３打席連発はラロッカの０６年５月９日・西武戦（神宮）以来。チームの日本人選手では小早川が１９９７年４月４日・巨人戦（東京ドーム）で記録している。２試合をまたぐ連続本塁打は山田が１６年９月９日・巨人戦の３、４打席目～同１０日・阪神戦の１、２打席目まで４打席連続で放っている。