NPB前コミッショナー 熊崎勝彦氏死去 巨人選手賭博、問題収拾へ尽力

 プロ野球のコミッショナーを務め、東京地検特捜部時代にはリクルート事件などの捜査も担当した熊崎勝彦氏が13日、都内の病院で心不全のために80歳で死去した。熊崎氏の法律事務所が27日、明らかにした。葬儀・告別式は家族で執り行った。

 熊崎氏は72年に検事任官。96年に東京地検特捜部長。リクルート事件などの捜査を担当し“落としの熊崎”の異名を取った。プロ野球では05年からコミッショナー顧問となり、13年に起こった統一球問題により加藤良三コミッショナー(当時)が辞任すると、14年に第13代コミッショナーへと就任した。

 コミッショナーとして15年から16年にかけて起きた巨人選手による野球賭博問題で、事態収拾へ辣腕(らつわん)をふるった。17年11月にコミッショナー退任後もコミッショナー顧問などを務めた。

 日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は「NPB全体の姿勢、体制が問われている時に、プロ野球の危機に立ち向かって陣頭指揮を執っていただいた。本当に強い思い出が残っている」と故人をしのんでいた。

 ◆熊崎勝彦(くまざき・かつひこ) 1942年1月24日、岐阜県生まれ。明大法学部を経て72年に検事任官。96年に東京地検特捜部長、99年に最高検察庁検事、04年から同公安部長を歴任し、同年9月に退官。プロ野球では05年にコミッショナー顧問。14年からコミッショナーに就任。17年11月に任期満了で退任後も、コミッショナー顧問や日本プロ野球暴排中央協議会顧問を務めた。

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