広陵の“ボンズ”真鍋 打った瞬間確信!創部110年記念試合で逆転サヨナラ弾
「招待試合、広陵6-5中京大中京」(29日、広陵グラウンド)
広陵の真鍋慧(けいた)内野手(2年)が29日、広陵グラウンドで行われた中京大中京との招待試合で劇的な逆転サヨナラ本塁打を放った。1点を追う九回2死一塁で右越えに高校通算18本目となる一発を運んだ。広陵は昨年、創部110周年を迎えた。この日の一戦はコロナ禍で延期した110周年記念の招待試合として実施された。
わずかな静寂の後、グラウンド全体がどよめきに包まれた。「広陵のボンズ」の異名を取る真鍋が土壇場の九回に特大の逆転サヨナラ2ラン。「勝てて良かった」。創部110周年を記念して行われた節目の戦いで、劇的なフィナーレを演出した。
1点を追う九回2死一塁で2球目を完璧に捉えた。打球は右翼防球ネット上部に直撃。打った瞬間に本塁打を確信し、悠然と歩き出した。「なかなか、いい形で試合ができなかった」と終盤まで相手にペースを握られた。だが、負けるわけにはいかなかった。
先輩たちが伝統と歴史を築き上げ、今年で創部111年を迎えた名門校。広陵らしさを「粘り強さ」と答えるスラッガーは「最終回に逆転できて、広陵らしさが出たと思う。自分たちも(歴史を)つなげていければ」と表情を引き締めた。
今春のセンバツは2回戦敗退。「冬にやってきたことをやり直した」と逆方法への打撃を徹底的に磨いた。中井哲之監督は「(前の打席まで)全然ダメだったけど最後、振ったら当たりましたね」と苦笑しながら、優しいまなざしを向けた。
7月9日に開幕する夏の広島大会に向けて「夏はきょうのような苦しい試合が絶対ある。モノにできるように」と真鍋。気温の上昇とともに、4番がさらなる上昇カーブを描く。