中日・小笠原 田中将に投げ勝った 甲子園V腕対決制す「仲間を信頼して投げた」
「中日2-0楽天」(31日、バンテリンドーム)
自分の直球を信じ抜いた中日・小笠原が、注目の“甲子園優勝投手対決”を制した。田中将を上回る7回を4安打無失点。至高の投げ合いで、ゼロを並べ続けて主役になった。「目の前のアウトを必死に取ることをテーマにやっていたので良かった」と、笑顔に自信をのぞかせた。
初めて迎えたピンチでも落ち着いていた。四回1死一、三塁の場面。渡辺佳をチェンジアップで併殺に仕留め、そのまますいすいと7回を投げて「前回は気持ちが引き気味で点を取られたが、今回は仲間を信頼して投げた」と力を込めた。
交流戦初戦となった24日の西武戦(バンテリン)は、今季最短の4回途中で今季ワーストの6失点KO。登板後、大野雄から直球の意識付けの大切さを説かれた。お手本のようにエースは27日のオリックス戦(京セラ)で、直球主体に押して完投勝利。「直球を意識させないと自分の投球ができなくなる」。自分のスタイルを再確認し、切れのある直球を軸にチェンジアップなどを丁寧に織り交ぜた。
2015年の夏の甲子園大会で東海大相模を優勝に導いたサウスポー。その10年前の夏に駒大苫小牧で頂点に立ったのが田中将だ。日米で実績を積み上げた相手を「向こうはスーパースター」と持ち上げたが、投球では一歩も譲らなかった。