元中日エース・吉見一起氏「投手・根尾」成功へのカギを挙げて「ドラゴンズを救って」
2度の最多勝や最優秀防御率などのタイトルを獲得し、中日のエースとして活躍した吉見一起氏(37)が14日までに、自身のYouTube「吉見一起 コントロールチャンネル」を更新。投手転向が決まった根尾昂外野手について自身の意見を述べた。
まず「まさか今年投手になるとは思いませんでした。可能性があるとするならば、監督も言っていましたが、来年以降に投手としての根尾昂選手が見られるんじゃないかと思っていましたけど、まさかね。この時期に投手になるとは思っていませんでした」と異例の挑戦に驚きを隠さなかった。
それでも後輩の決断を支持。現役時代は抜群の制球力で中日の黄金時代を支えた右腕は「ピッチャーに専念するということで、まだまだやらなくちゃいけないことがたくさんあると思います」と自身の経験も踏まえて助言を送った。
「まず球種。今は真っすぐ、スライダー、フォーク。速い系の変化球が多いですね。先発をするなら緩急は絶対に必要だと思います。僕は緩急がなかったんですけど、相当苦労しました。緩急は必須だと思います」と緩いボールの習得をポイントに挙げた。
さらに投手仕様の体を作り上げる重要性をも説いた。「たぶん、根尾選手はすごい筋肉質だと思います。投手が筋肉がないとかじゃなくて、僕が見てきた活躍した投手は多少ぼてっとしています。体脂肪がちょっと多いというか。多いと言っても14、15%ぐらいなんですけど。たぶん根尾選手の体脂肪は10%あるかないかだと思います」と話した。
その理由については「体脂肪がないと、スタミナがないんです。1年間、投げ抜く体力がないんですね。多少、ピッチャーの体格にしていかなくちゃいけない。もっと言えば、もっとお尻周りががちっとごつくなるというか、(全体が)分厚くなる体格に変えいかなくちゃいけないと思います」と話した。
同氏は現在、解説者として中日戦をチェックしており、根尾へのファンの期待度の高さは肌で感じ取っているという。
「ドラゴンズで一番応援されている選手は根尾選手だと思います。根尾選手がフィールドに出てくる時、一番お客さんが声援を送っていると思います。僕もその中の一人ですし、活躍してほしいです。大変なことがたくさんあるかもしれないですけど、根尾選手はドラゴンズを救って、初勝利、初セーブ、初ホールド、そういうものを早いうちに達成していただいて。投手として成功する根尾昂選手を期待していきたいなと思います」
最後に投手目線でアドバイスを追加。「(球速は)150キロが出るんですけども、いいピッチャーの秘訣は、バッターが手元で速く感じるかなんですね。これは外から見たら分からないんですけど、バッターとキャッチャーがどう感じるかなんですけど、トレーニングをしてベース板(の上)が速いピッチャーになってほしい」と話した。
「やっぱりドラゴンズの宝ですから。ケガなく、長く野球人生を投手として頑張ってほしいと思います」と話して締めくくった。