ヤクルト・村上 無双28&29号 6月14発!3戦&2打席連発 三冠王へ視界良好
「広島2-9ヤクルト」(29日、マツダスタジアム)
傘の花が咲く。ヤクルト・村上がゆっくりと歩き出した。手に残る感触が教えてくれた打球の行方。「いい感じで打てた。イメージ通り打つことができました」。もう、止まらない。6月14本塁打&35打点目と爆発はさらに加速し、ついに「三冠王」への視界が開けた。
3-1で迎えた八回、無死一塁。まずはカットボールを捉え左中間席へ運ぶ28号2ラン。さらに九回、無死一塁、カーブをまたも左中間席へ一直線。連発となる29号2ランでトドメを刺した。
それでも試合後には、「今日の反省をしながら、明日の投手の対策を練りながら」と喜びは一瞬。貪欲に次戦の勝利だけを求めた。
最高の相棒だ。公私共に仲の良い山田の存在が、村上を強くする。昨季までは互いを意識し合いながら、切磋琢磨(せっさたくま)。リーグ制覇、日本一を成し遂げると神戸の夜に抱き合いながら涙した。連覇を目指す今季は関係性に少し変化が出たという。村上は言葉に思いを重ねた。
「僕の前を山田さんが打つことでいい形で回ってくるので心強い。信頼しているというか、一緒に勝ちへ、優勝に導きたい」
今季初の3試合連発で、29本塁打&78打点は追撃を許さない独走状態だ。さらに打率・320は1位・佐野(DeNA)に9毛差まで迫り、もう背中は捉えた。目指す三冠王へ止まらない。ただ結果に安堵(あんど)するのは、シーズン終了時だ。村上にはかなえたい夢がある。3連勝で貯金は今季最多26。連覇まで主砲は走り続ける。