高松商・浅野 62号!清原まであと2本 公式戦初1番で先頭弾「打った瞬間いったと」
「高校野球香川大会・2回戦、高松商14-3坂出」(10日、レクザムスタジアム)
強打者2人の夏が、ど派手に幕を開けた。香川大会では、今秋ドラフト上位候補の高松商・浅野翔吾外野手(3年)が2回戦の坂出戦に公式戦初の1番で出場。初回に高校通算62本目となる先頭打者本塁打を放つ活躍でチームを勝利に導いた。
四国No.1スラッガーが、いきなり強烈なインパクトを残した。
「打った瞬間いったと思いました」。試合後、取材に答えた浅野は充実の表情を浮かべた。真ん中低め、100キロ台の変化球を打ち急ぐことなく、じっくりためてはじき返す。打球が左翼席に突き刺さると、球場は大歓声に包まれた。
この日は公式戦初の「1番」で先発出場。「出塁することだけ考えていた」というが、最高の形で先制点をもたらした。主砲の一撃で打線も勢いづき、2本の適時打で一挙4点。三回には打者一巡の猛攻で6点を奪い試合を決めた。
「一番好きな打順」だという1番はかつての“定位置”でもある。中3時にU-15日本代表に選ばれ、アジア大会を戦った際も1番で出場。5試合全てで出塁し優勝に貢献した。「先頭で打てばチームも盛り上がる。それにたくさん打席が回ってきて楽しいです」と、屈託なく笑う。
この日は8球団15人のスカウトがスタンドに集結。三原球団代表ら4人態勢で視察したDeNAの吉見スカウトは「打つべき球を打っている。大人になった印象」と成長を感じ取った。日本ハムの加藤スカウトも「一発で仕留める力がある」と声をそろえた。
昨年末に指導を受けた元マリナーズのイチロー氏の「全力の中で形をつくる」という教えを守り、バットを振り続けてきた。通算本塁打は62本まで達し、今大会中に目指すのはPL学園・清原和博の64本超え。決勝を含めたあと4試合で十分可能な数字だ。一方、主将として「初回以降は攻撃が雑になってミスも目立った」とチームを引き締めるのも忘れない。
試合前夜は「楽しみすぎてなかなか寝付けなかった」という浅野の表情が、今夏の充実度を物語る。昨年に続く甲子園出場へ、さらに加速する。
◆浅野翔吾(あさの・しょうご)2004年11月24日生まれ、香川県高松市出身。170センチ、86キロ。右投げ両打ち。外野手。屋島スポーツ少年団で野球を始め、屋島シーホークス、屋島中では捕手を務めた。U-15日本代表に選出され、主軸としてBFAアジア大会優勝に貢献。高松商では1年夏からレギュラー。昨夏の甲子園、智弁和歌山戦で本塁打を放った。