「高校野球石川大会・２回戦、日本航空石川１０－１津幡」（１０日、石川県立野球場）

　強打者２人の夏が、ど派手に幕を開けた。石川大会では、今秋ドラフト上位候補の日本航空石川・内藤鵬内野手（３年）が２回戦の津幡戦で高校通算５３号本塁打を放ち、勝利に貢献した。

　滞空時間の長い白球の行方を確認して、力強く拳を握った。高校通算５３号。日本航空石川の主砲・内藤が高校生離れしたパワーを見せつけた。

　「打った瞬間、いったと思いました」

　ＮＰＢの複数球団スカウトが見守る中、５点リードの五回、先頭で打席に立った。右腕が投じた初球、高めに浮いたカットボールを強振。打球は左中間席の上段に突き刺さり、あと一歩で場外弾という豪快な一発だった。

　このアーチで公式戦は１０本塁打目。巨人、ヤンキースなどで活躍した星稜・松井秀喜が残す石川大会（春夏秋）の通算本塁打記録の１２本まで残り２本と迫った。

　１８０センチ、１００キロの大型内野手。ヤクルトの小川ＧＭは「高校生であれだけ飛ばせる打者はなかなかいない。体の力もあり、スイングスピードも速い」と高く評価した。

　両親は中国出身で中国の伝説の鳥にちなんで名づけられた「鵬」という名。「自分もそういう伝説のような強い人になって、プロで長く活躍できる選手になりたい」と内藤。日本一を目標に、自慢の打棒でチームを頂点へと導く。

　◆内藤　鵬（ないとう・ほう）２００４年１０月５日生まれ。愛知県名古屋市出身。１８０センチ、１００キロ。右投げ右打ち。内野手。浦里小５年から六田ファイターズで野球を始め、千鳥丘中学では東山クラブで全国準優勝を２度経験。日本航空石川に入学後は、１年秋から背番号５でベンチ入り。憧れの選手は巨人・中田翔。