聖カタリナ学園 不祥事により3年生12人のみで出場 延長力尽き4強入りならず

 「高校野球愛媛大会・準々決勝、帝京五10-3聖カタリナ学園」(18日、坊っちゃんスタジアム)

 部内で起こった生徒間での不祥事により、3年生のみで出場している聖カタリナ学園が延長戦の末に敗戦し4強入りはならず。選手12人で挑んだ夏が終わった。

 土壇場九回2死から同点に追いつき、3-3で迎えた延長十一回、エース・内藤星那投手(3年)は限界だった。1死三塁から勝ち越しの適時打を浴び、なおも満塁。5番打者に走者一掃の3点適時二塁打を打たれて降板した。中学1年時に空手の形で世界王者になった経験も持つタフさで、準々決勝までを一人で投げ切り、この日の投球数も150球を超えていた。

 12人のうち本職が投手なのは内藤のみ。3年生のみの出場が決まってから急ピッチで他の選手も投手練習をしてきたが、相手の勢いは止められず、一挙7点を奪われた。

 試合後、「越智監督と光田部長ともう一度野球がしたかったです」と、不祥事によって部を去った前監督、前部長への思いを率直に語った内藤。試合中は主将としての責任感と「試合に出られることに感謝して、試合中は楽しくやりたかった」という思いから笑顔を絶やさなかった。しかし、敗戦後、お世話になった前監督も、部長も、後輩たちもいないベンチを改めて目にし、涙を止められなかった。

 3年生のみの出場が決まり、周りから厳しい目で見られることは「覚悟していた」という。それでも「野球ができる感謝の気持ち」を忘れず、12人で「1日でも1試合でも長く」と、互いを支え合ってきた。内藤も越智監督の「粘り強く」という言葉を胸にマウンドを守り続けた。

 昨年春のセンバツでもベンチ入りした崎野翔太内野手(3年)は「この12人で野球ができて良かった」と胸を張る。内藤も最後は涙をふいて、「カタリナは全員で戦ってきました。いろいろあったけど、これから1、2年生に頑張ってもらいたい」と後輩たちへ言葉を送った。

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