敦賀気比 豪雨災害の地元・福井に届ける勇気の1勝 東監督「元気になってくれたら」

 1回、上加世田が右前に先制適時打を放ちベンチ向かって指をさす
 高岡商に勝利し、応援団にあいさつに向かう敦賀気比ナイン(撮影・山口登)
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 「全国高校野球選手権・1回戦、敦賀気比13-3高岡商」(8日、甲子園球場)

 敦賀気比(福井)が高岡商(富山)を下して初戦を突破し、春夏通算30勝目を記録した。5日に豪雨災害に見舞われた地元・福井へ勇気を届ける吉報に、東哲平監督(42)は「少しでも敦賀気比高校の野球で勇気づけて、元気になってくれたら」と語った。

 初回、「4番・投手」の上加世田頼希投手(3年)の先制中前打など、5連打で4点を先取。終盤も相手のミスと猛打が重なって、計16安打13得点と爆発した。継投策もハマり、3投手が14安打を許しながら3失点の粘投でリードを守った。

 被災のダメージは相当なもの。5日に福井を襲った大雨は1日の降水量で、観測史上最大の405・5ミリを計測。北陸自動車道は土砂流入が起こり、JR北陸線も運転見合わせが続いた。

 交通網のまひは球場のスタンドに駆けつける応援にも影響が出る。主将の春山陽登外野手(3年)は「福井県から来られないって方も聞いた」と声を震わせた。それでも、「その方もテレビで応援してるからなと。絶対そういう方の気持ちを裏切りたくなかった」と見えない応援も力に変えた。

 終わってみれば10点差をつける快勝劇。「福井県代表としていいプレーができたかなと思います」。主将は笑顔で胸を張った。

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