「巨人６－０中日」（２３日、東京ドーム）

　巨人は菅野が好投、打線もクリーンアップが機能して中日に快勝した。４番に座る中田は２安打、２打点の活躍。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「中田はバットを短く持ち、スイングの振幅が小さく、速くなっている」と語り“イメージチェンジ”の成果を強調した。

　◇　◇

　菅野が８回を２安打無失点。無四死球。打線は３、４、５番で５打点。巨人としては理想的なゲーム展開だったね。

　前回のＤｅＮＡ戦が６回３失点。スライダーの制球が甘かった菅野だが、この試合は実にいいところから曲がっていた。特に左打者の膝元へは今年一番のキレを見せていた。直球系、スライダー系ともに精度の高い球を投げていた。途中からフォークのよさも目についた。

　投球フォームで感じたのは、右腕が前回よりも少し高い位置から出てきていた点。ひじが下がるとボールが“横滑り”し、球質も精度も悪くなるのだが、わずか１週間で修正してきたあたりはさすがだった。

　攻撃では初回、あっさり二死となったが、丸が右前打で出塁したあと、中田の左中間二塁打で先制し、岡本和の右中間二塁打で２点目が入った。

　中田は真ん中低めの直球を弾き返したものだが、好調を持続している。五回にも同じような球を左前に運んで２打点目。４番の重責をしっかりと果たしているね。

　打席の中での彼は最近、右ひじを上げ、バットをほんの少し短くもって構えている。そのためスイングの振幅が小さく、そして速くなっている。音で表現するなら“ブーン”から“ブンっ”と聞こえるような感じだ。

　フルスイングで長打を狙うより、ジャストミートを心がけるようにしているのだろう。

　もともと手さばきのうまい選手で、右方向への打球が増えたし、体に近いところを攻められてもカットして粘れるようになり、簡単に三振しなくなった。

　何より中田自身が“４番は和真”と思っている。その心の持ちようがいいのかもしれない。

　先の阪神戦では制球力抜群の西勇の内角攻めにあい、その影響を少し心配していたが、打撃は崩されていなかったね。

　さてそうなると、周囲の目は「岡本の４番復帰のタイミング」に集まってくるのかな。でも中田が好調を保ち続ける限り、シーズン終了までこのままかもしれない。よく“いいときに打順をさわるな”と言うからね。

　このところ岡本和が少しずつ調子を取り戻してきているが、４番に戻るとしたら複数安打を重ね、コンスタントに本塁打を打てるまでに復調したときだろう。

　いまは４番の打順よりも元気のない坂本の方が気になるね。