日本ハム・ポンセ 子どもたちに届けた何よりのプレゼント
「日本ハム2-0ソフトバンク」(27日、札幌ドーム)
日本ハムのコディ・ポンセ投手(28)が27日、札幌ドームで行われたソフトバンク(23)戦で、今季5人目で史上87人目(通算98度目)の無安打無得点試合を果たした。球団では1995年の西崎幸広以来、27年ぶり6人目で、札幌移転後初の達成。許した走者は一回に死球、九回に四球を与えただけだった。パ・リーグでの達成はオリックス・山本に続いて32人目(33度目)で、達成者がシーズン5人となるのは過去最多だった1940年以来で82年ぶりとなった。
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試合前練習中、外野から響く絶叫。もう慣れた。日本ハム名物。目線をやればいるのはポンセだ。打撃練習で飛んでくるボールを、叫び声を上げながら処理している。「近くに人がいた時とかに危ないからね」と笑う。
長身に長髪パーマで絶叫キャラ。危険人物?いやいや。ある日の札幌ドーム試合前。ベンチに下がったと思ったら、段ボールを抱えてスタンドに現れた。見学していた少年少女に1つずつ、手渡したのは練習で使用したボールだった。
「キャッチボールで使ったボールをロッカーに集めているんだ」。密かにため込んでいたボール。「投げ込むことが禁止されているので。こういう機会にね」と明かした。
原点は本人の記憶では「10歳ぐらい」。スタジアムで選手からボールをもらったという。「昨日のことすら覚えてないので選手のことなんて覚えてない」と言うのは、多分照れ隠しだろう。
「子どもたちはプロ選手に憧れて見ているわけなので、できるだけ還元できることを考えてやっていきたいんだ」と目を輝かせる。札幌ドーム初先発がノーヒットノーラン。子どもたちへの何よりのプレゼントになったはずだ。(デイリースポーツ・鈴木創太)