日本ハム・ポンセが人生初ノーノー!82年ぶり今季5人目達成 他界した母へ感謝

 ノーヒットノーランを達成し、ナインに手荒く祝福されるポンセ(中央)=撮影・中島達哉
 ノーヒットノーランを達成したポンセ(左)に声をかける新庄ビッグボス
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 「日本ハム2-0ソフトバンク」(27日、札幌ドーム)

 日本ハムのコディ・ポンセ投手(28)が27日、札幌ドームで行われたソフトバンク(23)戦で、今季5人目で史上87人目(通算98度目)の無安打無得点試合を果たした。球団では1995年の西崎幸広以来、27年ぶり6人目で、札幌移転後初の達成。許した走者は一回に死球、九回に四球を与えただけだった。パ・リーグでの達成はオリックス・山本に続いて32人目(33度目)で、達成者がシーズン5人となるのは過去最多だった1940年以来で82年ぶりとなった。

 歓喜の瞬間、ポンセが豪快なガッツポーズとともに2度、3度と雄たけびを上げた。ノーヒットノーランという最高の結果でチームの連敗を8でストップ。まずは捕手の古川裕を抱きしめて喜びを分かち合い、そして仲間たちの祝福の輪へと身を委ねていった。

 人生初の快挙。「まだ実感がない。この数日間で徐々にやったんだなと実感していくと思う」。興奮冷めやらない表情で、率直な気持ちを明かした。

 ソフトバンク打線を全く寄せ付けない投球だ。初回2死でグラシアルに死球を与えたが、その後は八回まで1人の走者も許さず。九回に先頭へ四球を与えるが1死後、今宮を遊撃への併殺打に仕留めて快挙を成し遂げた。

 九回は新庄ビッグボスが「顔を見て、俺が吐きそうになった」と話すほどの緊張に襲われていたが、父・ジョーさんの「やり続ける」という言葉を思い出し自らを奮い立たせた。そして「今日の良い結果は、すべて古川です」と女房役をたたえるなど、周囲への感謝の言葉を並べ続けた。

 もう1人、心優しき助っ人が感謝を伝えた人がいる。2017年に脳がんで他界した母・ジェニファーさん。仲間たちの祝福の輪が解けると「上を向いて天国にいるお母さんのおかげだと思った」と感極まった顔を見せた。

 兄弟たちに愛情を注いでくれた母。ポンセは「もし話せるならお母さんと話したい。(ウイニング)ボールもグラブもユニホームもすべて渡したい」と思いを語る。七回以降は「お母さん、お願いします」と祈り、記録達成を支えてくれたことに感謝していた。

 19年・プレミア12の米国代表で来日し、日本のファンの応援に感銘を受け「いつか絶対に日本でプレーすると決めた」という。自らを導いたファンの歓声が、いつまでもポンセを包み込んでいた。

 ◆82年ぶり1シーズン5度 今季のノーヒットノーランはロッテ・佐々木朗希、ソフトバンク・東浜巨、DeNA・今永昇太、オリックス・山本由伸に続き5度目。1シーズン5度は1940年以来、82年ぶりのNPB最多タイで、2リーグ制以降初めて。

 ◆コディ・ポンセ(Cody Ponce)1994年4月25日生まれ、28歳。米国カリフォルニア州出身。198センチ、116キロ。右投げ右打ち。投手。カリフォルニア・ポリテクニック州立大ポモナ校から2015年ドラフト2巡目でブルワーズ入団。20年8月にパイレーツでメジャーデビュー。22年に日本ハム移籍。メジャー通算成績は20試合1勝7敗、防御率5.86。19年プレミア12米国代表。

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