恩師が語るヤクルト・村上 高校時代から「野球を優先できる子」
「ヤクルト5-0中日」(2日、神宮球場)
両軍無得点の三回1死一、三塁。ヤクルト・村上が試合を決める先制の3ランを放つ。巨人・王貞治の24歳3カ月を抜き、史上最年少の22歳7カ月でシーズン50号に到達。日本選手6人目の偉業だ。球史に刻む最高のアーチを掛けた。
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九州学院時代に村上を指導した坂井宏安前監督(65)は、熊本市内の自宅のテレビで50号を見届けた。高校時代は体が開かないようにするために左投手を打つ練習をしてきた。「だから左投手を全く苦にしなかった。むしろ得意としていたので、今日はいけるのではと思っていた」と喜んだ。
高校時代から「野球を優先できる子だった」。練習では全く手を抜かず、ダッシュでも1本目から全力疾走した。「10本やると7本目ぐらいから失速したが、それは最初から全力で走るから。入学した時は特別足も速くはなかったが練習の成果で速くなった」。プロ入り後は「肩の可動域が高校時代より広くなって、びっくりした」と体の成長に目を見張る。
気遣いも忘れない。今夏の甲子園で弟の慶太(3年)らが出場して8強入り。村上からは「慶太がお世話になりました」と坂井氏に連絡があったという。