ヤクルト・村上 51号!平成以降日本選手最多に 史上7人目トリプル100も達成
「ヤクルト3-6中日」(4日、神宮球場)
背番号「55」の新時代へ。ヤクルト・村上がまたゆっくりと歩き出した。傘が揺れる本拠地で描いた今季51号。「2点返せて良かった」。人一倍強い勝利への執念。史上7人目となる「シーズン100得点、100打点、100四球」の“トリプル100”にも達した。
5点を追う六回だ。1死一塁からバットを強く握った。「流れを引き戻したい」。思いは一つだった。その2球目の外角フォークをフルスイングではじき返すと、打球はバックスクリーン左へと着弾。51号2ランで、点差が開いたチームを懸命に鼓舞した。
またも希代のスラッガーに肩を並べた。同じ背番号「55」を背負ったゴジラ超えの51号で、今季100得点に到達。すでにクリアしていた125打点、102四球と合わせて達成した“トリプル100”は、王貞治、松井秀喜(ともに巨人)ら名だたる強打者しか記録していない。そこに村上の名が加わった。
「昨年よりはどの部分でも成長していますけど、壁を越えたとかではない。できる限り打ちたいと努力して、試合に臨んでいる結果、今年いい結果が残っているのかなと思う」
大きな飛躍を遂げようとしている中で、冷静に足元を見つめた。シーズン60本ペースでプロ野球記録も狙えるが、あくまでもチームの勝利、目指す連覇が最優先だ。「勝つことが大事」とこれまで何度も繰り返し、この日も表情は最後まで厳しいままだった。
「2年連続最下位だった僕たちでも勝てるんだ」と日本一チームの4番になって、はや10カ月。自信は力に、成長を加速させる。連覇という最大目標へ、村上は残り試合も打ち続けていく。
◆史上7人目のトリプル100 村上が今季125打点、102四球、100得点。1950年以降、3部門のシーズン100以上は史上7人目。セ・リーグでは藤村富美男(神・60年)、王貞治(巨・63~66、68、69、72~74、77)、松井秀喜(巨・98、00、02)に続いて4人目。パ・リーグは落合博満(ロ・85年)、中村紀洋(近・01年)、カブレラ(西・02年)。