天理 生駒と友情&歓喜の再試合 コロナ禍で決勝大敗 不完全燃焼で終えた夏の“再戦”
「練習試合、天理3-2生駒」(11日、佐藤薬品スタジアム)
あの夏にできなかった歓喜の輪がマウンド周辺に広がった。今夏の奈良大会決勝で対戦した天理-生駒の“再戦”。天理が接戦を制した。夏の決勝後は、相手に配慮して感情を抑えた勝者。試合後はチームの区別なく、全員が喜びを分かちあい、感情を爆発させた。
新型コロナの影響で生駒は夏の奈良大会決勝で主力を含む12人のメンバー変更を余儀なくされ、0-21で大敗。不完全燃焼で終えた相手の3年生らを思い、天理・中村良二監督(54)が再試合を提案。この日に実現した。
試合は、両チームが全力を出し切った1点差ゲーム。今秋ドラフト候補で、天理の前主将・戸井零士内野手(3年)は「3年生にとっては最後の試合。素晴らしい形で終えられたのでとてもよかった」と笑みを浮かべた。
生駒は3年生全15人が出場するなど、総力戦で強敵に挑んだ。北野定雄監督(63)は「(天理とは)力が違います。本当に感謝しかない」と話した。これで3年生は高校野球生活が終了。笑顔で終えた球児は、ここからそれぞれの道へと進む。