中日・福留 異例の引退セレモニー 近本らから花束→右翼席へ 虎党は阪神時代の応援歌

 甲子園のファンに手を振る福留(撮影・飯室逸平)
 ライトスタンドの虎ファンに深々と頭を下げる福留(撮影・飯室逸平)
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 「阪神6-2中日」(12日、甲子園球場)

 今季限りでの現役引退を表明している中日・福留孝介外野手(45)が12日、甲子園球場で異例のセレモニーが行われ、聖地、そして虎党に別れを告げた。阪神に移籍した13年から8年間、本拠地として過ごした思い出の地。グラウンドに立つ表情は晴れやかだった。

 中日は今季、甲子園最終戦。試合後、左翼席の竜党の元へ福留はナインとともにあいさつ。その後、マウンド付近で近本、坂本、岩貞から花束を受け取り「甲子園球場は世界一のグラウンド。ここでプレーできてうれしく思う」と振り返った。

 一度は三塁ベンチに戻ったが、右翼方向へ向かって走りだした。右翼席の虎党へ深々と頭を下げてあいさつし、左翼席や内野席の虎党&竜党にも感謝の視線を向けた。虎党も即興で阪神時代の福留の応援歌を歌っていた。阪神ファンの声援を浴び「ああやって送り出していただきうれしい。ファンの皆さまに感謝の一言」と話した。

 試合前は練習にも参加。“大トリ”で打撃ケージに入ると、両軍のファンから自然と拍手が湧き起こった。ラストスイングで福留らしい右翼席へのアーチで締めると、再び大きな拍手が起こった。

 その際、藤浪や大山、糸原とも交流し、外野手の後輩・江越にはグラブを贈る場面も。「阪神タイガースの方々にすごく感謝をしています」。この景色を忘れない。酸いも甘いも味わった甲子園で最高の思い出ができた。

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