中日にホームランテラス待望論 球場が狭くなれば長距離砲は育つ?内田順三氏の視点

 中日の本拠地バンテリンドームにホームランテラス導入を期待する声が高まっている。もっとも本塁打が出づらいとされる球場で、チーム本塁打数はヤクルト・村上ひとりをわずかに上回る60本。長く続く貧打で低迷し、今季も最下位に沈んでおり、立浪監督もテラス導入への希望を口にした。球場が狭くなることで長距離砲が育ち、貧打は解消されるのか。デイリースポーツ・ウェブ評論家の内田順三氏に聞いた。

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 今の中日には大島、阿部にしても、今年成長を遂げた岡林にしてもいい選手はいる。ただ、彼らはいわば打線の中心というわけではなく、脇役タイプの選手。スモールベースボールもいいが、やっぱりお客さんを喜ばせる本塁打は華だよね。

 盗塁したりバントしたり、これも野球なんだけど、立浪監督も今年の戦力で一年やってみて、この場面で2ラン、3ランほしいというところで一発が期待できない。やはり、何か大きな変化をもたらせないといけないと考えるだろう。個人的にも、中日はしばらく結果が出ていないのだからホームランテラスを作ってみる、というのはひとつの考えでいいと思うね。

 ジャイアンツのコーチ時代、宮崎のキャンプ地には広い本球場とは別に、狭いひむか球場というのがあって、そこで特打をすることがあった。そこだとガンガンとホームランが出る。狭い球場で練習すれば、スタンドインする感覚を体に染みこませる、という効果はあるだろう。

 ただ、中日の貧打はホーム球場のせいばかりにはできないし、球場を狭くすれば長距離砲が出てくるかというと、そんな簡単なことではない。石川にしても鵜飼にしても、素晴らしい素材の選手はいるわけだから、彼らのような選手をいかに育てていくか。三振は構わないという方針で、ファームで初球からガンガン振らせて、徐々に角を取っていくというやり方もいいだろう。村上だって、出始めは三振の数はすごく多かったわけだから。

 短期的視野で見ればやはり、パワーヒッターを連れてくるしかない。チーム最多は4番に座るビシエドが12本。これではいくら本拠地が広いといっても、物足りないよね。シーズン途中にキューバの外国人選手(レビーラ)を使っていたけど、真っすぐはいいけど、変化球が入ると対応できない。フロントも外国人選手のスカウティングを見直す必要もあるだろう。

 落合監督の時も打線のチームではなく、2-1、3-2といったスコアで、投手力を中心に勝ってきたチーム。ただ、打てるチームでファンを喜ばせたいというのなら、立浪監督の間に球団も何かを決断をしなければ、チームに大きな変化をもたらすことは難しいだろうね。

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