「ロッテ３－６オリックス」（２０日、ＺＯＺＯマリンスタジアム）

　鳥の襲来が吉兆となったのか。オリックスの４番・吉田正尚外野手（２９）が右中間席へアーチをかけると、三塁ベンチはお祭り騒ぎとなった。３－３で迎えた八回無死。西野の変化球を捉え２０号ソロ。三塁を回り、右手を突き上げた。

　「完璧でしたね。一打席一打席、自分のスイングを心がけている中、いい感じで甘くきた１球を仕留められたかなと思います」。２年連続４度目の２０号に乗せた令和の安打製造機が、雨中の接戦にケリをつけた。

　六回に珍事が起きた。１点リードの１死一、三塁。ここで鳥の群れがグラウンドで飛び回った。どよめくスタンド。２１分間の中断中、不思議そうに見つめていたオリックスベンチ。再開後にはしっかり切り替えて、太田が左前適時打を放った。鳥の群れは本拠地にするロッテよりも、し烈なＶ争いをするオリックスに味方した。

　九回にも伏見が左中間へ３号ソロ。吉田正の左犠飛でとどめを刺した。試合後の中嶋監督は「（鳥の襲来は）めったにないことなんでね。珍しいことだなって。初めて見たんですけど」と笑いをこらえつつ、負けられない一戦を制して安どした。

　４連勝で貯金１０。ソフトバンクも勝利し０差のままピタリ。指揮官は「いい集中力で戦っている。気を引き締めてひとつひとつ戦っていく」。残り５試合、全力で１勝をもぎ取り、リーグ連覇をつかむ。